2012年7月の雷舞以降ぱったりと活動を停止していた大門であるが、遠藤監督は秘かに雷舞映像の編集を進めていたのである。そう言えば私もビデオ音声をトリートメントしたし、※1 雷舞DVD恒例のオープニング曲とエンディング曲を遠藤監督と作ったりもした。それらが2012年9月の話である。
めっちゃ楽しかった いやはや、塩漬けにもほどがある。まぁ忘れてしまうよりはマシだ。遠藤監督と顔を合わせるたびに、「あれ、仕上げないとなぁ」と言っていたのだが、「言うだけ番長」になってはイカン!とふたりで一念発起。2013〜2014年の冬は雪が少なく、風さえ強くなければなんとかロケができそうだと踏んだ我々は、ロケハンをすっ飛ばして、いきなりロケを敢行するという暴挙に出た。
前日までは穏やかな日が続いていたのだが、ロケ日前夜から盛大に雪が降るというアンビリーバブルな展開に。そもそも雷舞自体が夏だったわけで、※2 そんな雷舞映像のオープニングが雪景色というわけにも行くまい。私はてっきり中止になるものだと思っていた。が、当日朝、「遅れていますが向かっています」というメールが遠藤監督から入る。やるんだ!ロケ!!我が家に登場した監督に「雪降っちゃったね」と言うと「うん。割り切って雪景色でいこう!」とおっしゃる。マジすか!
ともかく機材を監督の愛車に積み込み、予定していた山間のダムに向かう。ダム湖畔の広い公園は犬の散歩をしたらしい足跡がかろうじて一組分あるだけで、一面真っ白な雪原と化しており、北海道やシベリアもかくやある。行った事無いけど。撮影ポイントを決め、ギターとマイクスタンドとカメラと三脚などをふたりで運ぶ。クルマは入れないので人力で百メートル以上も運ぶ。動いている分にはあまり寒くない。
予定のポイントでとにかくギターを弾く私。それをいろいろな場所、角度から撮影する監督。そうとうシュールな光景であることはやってる本人が充分承知しているが、ここまでやったら中途半端な画は撮りたく無い。一面真っ白なダム公園でエレキギターを生音で演奏するというのは中々できない経験である。その後マイクスタンドを立て、歌っている場面も撮影(イメージとしてはB'zである)。
雪原で熱唱する遠藤監督
雪原でギターを弾く服部 いくつかポイントも変えて工夫はしてみたが、どこで撮っても一面真っ白だから変化が乏しい(笑)。曲の展開に合わせた画作りを口頭で確認し、昼飯を食って解散した。2月前半には粗編集版ができ上がる予定である。でき上がったら公開しようと思う。お楽しみに。
※1トリートメント
ここでは映像用の音を整える作業を言う。雷舞会場のPA卓からもらうライン音声に加え、ビデオカメラで収録した会場内の音をミックスして聴きやすい音を作る作業。
※2雷舞自体は夏だったわけで
イベントタイトルは「あの夏この夏ケンジの夏」という、どうにもこうにも夏でしかないものだった。でも仕方ない。なぜなら一ノ瀬健治の命日は7月28日だからである。