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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

2010年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年01月

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まだまだMixは続く

Fourstepsの秋保太郎君来訪。宿題になっていたミックスダウンの続きを確認しに来たのだ!しかし不穏なメールの文面からリテイクだろうな~という予想が的中。細々した指示が出た。

まぁミックスダウンって思った以上にその役割とか効果とか、ミュージシャンでもわかってる人は多いが、いわゆるトリートメント的な意味でのミックス作業について知識のある人はまだ少ないのではないか、と私は思っている。例えばパッと仮ミックスを聴いて「もうちょっとベースが大きい方がいいな」と注文が出たとする。でもエンジニア的にはじゃあってんでベースのフェーダーを少し上げる、とはいかないのだ。ベースが小さいのかあるいはベースと対を成す楽器のバランスが大きいのか。ベースの音量が小さいのかあるいは必要な帯域が足りないのか。いずれにしてもベースの存在感を出せば隠れてしまう音があるわけで、その整合性をとるためには結局ミックス全体の設計をやりなおすことになる。まぁ大げさに言えばそういうことだ。全部が全部そういうことになるわけではないが。

今夜の発見は4ビートの曲のハイハット。アフタービートがちょっと弱いのでハイハットを今よりも少し強調してください、という太郎君のオーダー。単純にハイハットのフェーダーを上げたらカブっていたスネアの音も当然のことながら若干強調され、結果的にドラム全体がよりグルーヴィーになった。ほんの少しの差なのに、曲全体のドライヴ感すら変わってしまった。怖いけど、これがミックスダウンの醍醐味とも言える。
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