2012.06.14 Thu
Theatre Group OCT/PASS「方丈の海」の音楽を担当します
仙台の劇団Theatre Group OCT/PASSの新作「方丈の海」の音楽を担当することになった。OCTの音楽を作るのはもう何作目だろうか。
今回の作品は東日本大震災を真っ向勝負で扱う。芸術に携わる人間として、いつかは向き合わなければならない事象だと思っていた。が、もちろん迂闊に挑戦できるものではない。私の最新作「La Passione」でも、制作期間中に震災を体験したし、震災後に作った曲も収録はしているが敢えてノータッチだった。正直言って何が何だかわからないのである。情報が多すぎるし、結果も膨大だ。そもそも結果は今も膨張し続けていて、どんな結末を迎えるのか、そもそも「結末」と認識できるような区切りがあるのかすらわからない。
OCTの主宰者石川裕人さんから今回のお話をいただけたことは幸運だと思う。演劇のための音楽であること、脚本に沿った音楽であることというふたつの「縛り」を得て、初めてフォーカスが合わせられるという側面がある。
もうひとつ幸運なことがある。裕人さんが私を野放しにしてくれることである。多くの演出家と仕事をしたわけではないが、演劇用の音楽を制作する場合、多くは「台本○ページの○行目から○行目まで、悲しいイメージの音楽をください」のように指示されるだろう。もちろんもっと細かいケースも多いだろうし、スタイルも演出家それぞれではあろうが。ところが私の場合、極端な場合は打合せすらしない。色々な意味で私は裕人さんの想像を裏切ろうと努力する。今回なら「震災」という同じ題材に対して、裕人さんは芝居を作り、私は音楽を作る。それを稽古場で役者と無理やり掛け合わせる。そしてステージの上で化学反応させるのだ。手法や価値観のズレが大きいほど太く大きな衝撃を作品に持ち込める。
そのかわり空中分解してしまう可能性ももちろんあるのだが(笑)。今回の音楽は普段の「服部暁典名義」では絶対に発表しないような音になると思う。楽しみだ。

出演者佐々木久美子さんのFBページより拝借。
打合せする石川裕人さんとわたくし
今回の作品は東日本大震災を真っ向勝負で扱う。芸術に携わる人間として、いつかは向き合わなければならない事象だと思っていた。が、もちろん迂闊に挑戦できるものではない。私の最新作「La Passione」でも、制作期間中に震災を体験したし、震災後に作った曲も収録はしているが敢えてノータッチだった。正直言って何が何だかわからないのである。情報が多すぎるし、結果も膨大だ。そもそも結果は今も膨張し続けていて、どんな結末を迎えるのか、そもそも「結末」と認識できるような区切りがあるのかすらわからない。
OCTの主宰者石川裕人さんから今回のお話をいただけたことは幸運だと思う。演劇のための音楽であること、脚本に沿った音楽であることというふたつの「縛り」を得て、初めてフォーカスが合わせられるという側面がある。
もうひとつ幸運なことがある。裕人さんが私を野放しにしてくれることである。多くの演出家と仕事をしたわけではないが、演劇用の音楽を制作する場合、多くは「台本○ページの○行目から○行目まで、悲しいイメージの音楽をください」のように指示されるだろう。もちろんもっと細かいケースも多いだろうし、スタイルも演出家それぞれではあろうが。ところが私の場合、極端な場合は打合せすらしない。色々な意味で私は裕人さんの想像を裏切ろうと努力する。今回なら「震災」という同じ題材に対して、裕人さんは芝居を作り、私は音楽を作る。それを稽古場で役者と無理やり掛け合わせる。そしてステージの上で化学反応させるのだ。手法や価値観のズレが大きいほど太く大きな衝撃を作品に持ち込める。
そのかわり空中分解してしまう可能性ももちろんあるのだが(笑)。今回の音楽は普段の「服部暁典名義」では絶対に発表しないような音になると思う。楽しみだ。

出演者佐々木久美子さんのFBページより拝借。
打合せする石川裕人さんとわたくし
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