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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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春の鎌倉で極上体験2014

佐藤哲というベーシストは、私の音楽人生の中で少し特別な存在である。彼とは1995年頃から松澤社中というバンドで、物凄い頻度で演奏した。年齢で言えば20代後半と言う事になる(彼と私は同い年である)。その年代にしゃかりきになって自作曲を作り演奏すると言う事は、ミュージシャンにとってどれほど栄養になることか。社中では多くのことを学んだため、今も自分の中で特別な存在である。よくベースという楽器は「縁の下の力持ち」などと言われるが、佐藤哲の弾くベースは縁の下などではなく、フロントたるヴォーカルやギター等と対等以上に渡り合う希有なものだった。優れたベーシストのプレイは多少の差はあれど、皆そういうプレイなのだが、そういうことを私の頭に擦り込んだベーシストのひとりなのだ。

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なんとメンバーですらジャケットデータを持っていない。
松澤社中のファーストアルバム

仙台を離れて久しい彼から唐突に結婚披露宴の招待状が送りつけられ、出席すべく私は春真っ盛りの鎌倉に出かけた。「春の鎌倉」などというこの上なく素敵なロケーションも一役買っていた可能性もあるが、とにかく嬉しい宴だった。出席者は新婦側の関係者が多かったのだが、その友人親族のみなさんが真剣にふたりを祝っていて(いや、もちろん仙台から出席したミュージシャンズも真剣に祝っていたけどさ)、新婦が如何に周囲の人から好かれているのかが伺えたからである。

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新婦にだけピントがあっているのは偶然です

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特濃

披露宴の式次にはふたりの簡単なプロフィールが掲載されていて、「どんな夫になりたいですか?」という欄に「奥さんの言うことをちゃんと聞く」と哲が書いていたので、私はなんだかすごく安心した。お互いに敬意を払っている夫婦というのは、大抵うまく行くものだ。披露宴の間中、新婚夫婦からそこはかとなくお互いに敬意を持って相対してる空気が感じられた。こういう披露宴はただひたすら嬉しいままでいられるので、出席者はとても楽しい。

会場となった「鉢の木」というお店のサービス、料理も行き届いたものだった。会場探しにいくつかのお店を渡り歩き、料理を食べた瞬間に「このお店です!」と決めたと哲がスピーチしていたが、まったく納得の素晴しい料理だった。また私の周囲にいた現在哲と親交のある友人たちもとても気持ちの良い人たちばかりで、そのこともとても嬉しかった(山本泰照さんという鍵盤ハーモニカ奏者とお知り合いになれて特に嬉しい。鍵盤ハーモニカ奏者がひとつの披露宴で対面で座ることなど絶無である。哲の粋な計らいであった)。おふたりともどうか末長くお幸せに。今度遊んでください。

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宴の最後に合奏する新郎新婦。
Overjoyed(Stevie Wonder)

翌日はひとりで鎌倉観光をして帰ってきた。私は「海街Diary(吉田秋生著)」というマンガにいたく惚れ込んでいるのだが、その作品の舞台が現代の鎌倉なのだ。江ノ電に乗って、物語の要所要所に登場する実在の場所をたくさん味わうことができた。雨さえ降っていなければ極上の体験になったはずだが、それでも大感激である。ぜひまた鎌倉に来たい。

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稲村ケ崎のあそこ

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力餅も福面まんじゅうもどっちも買いました

本当はミュージシャン同志のおつきあいって、本当にイイもんですね!という文章にするべく書き始めたのだが、全然違うものになってしまった。まぁそういうこともある。とにかく夢のように楽しい二日間だったのだ。
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