暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

2015年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年03月

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Protools Softwareの無料化に思う

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レコーディング業界に君臨するDAW、AVID Protools。このプロツーがとうとう機能限定版をフリーソフトウェアとして配信すると言う。同時に正規版のVer.12からは使用がサブスクリプション制となる。早い話が月額制だ。使おうが使うまいが毎月約3,000円かかるのである(永続ライセンス料金も引き続きあるらしいが)。1日に20時間くらい起ち上げっぱなしの商業スタジオ、もしくは売れっ子個人作家ならそれもまたアリかもしれないが、筆者のような締め切りの無い作家となると、毎月の固定費というのは得体のしれない負担に思えてくる。

筆者の制作スタイルもDAWに依存してはいるが、DAWそのものはなんでも良いと思っている。私が現在使っているのはLogicPro9だけである。これはハードウェアとOSとアプリケーションをひとつの会社、すなわちアップルがまとめて開発しているからで、きっと安定しているのだろうと踏んだからである。オーディオ編集機能はプロツーにアドバンテージがあると思うが、私レベルの製作スタイルなら、高度なオーディオ編集機能は必須の能力ではないし、同時に「業界標準」に倣う必要も無い。むしろ「業界標準」から離れた方が独自の音世界が構築できる可能性がある。

初心者の場合、実はここに大きな誤解があるように思う。つまり「プロと同じ機材を使えばプロのような音が作れるんじゃないか」という誤解である。もちろん、残念ながらそんなことはない。むしろ初心者の場合、周囲と同じ機材を使うことで没個性化する恐れもある。そもそも「音楽的個性」が生まれるかどうかは、録音ツールに拠るものではない(例外はあると思うが)。どんな機材で録音しても滲み出てしまうのが「個性」のはず。第一DAW全体がここまで高機能になると、プロツーだからこそできた曲とか、プロツーじゃできなかった曲なんてのは考えにくい。その点においては「弘法筆を選ばず」である。

DAWのチョイスはプロでも悩むところだろう。もしくは悩む以前に、オーダーに沿うように作業するとなると、使うDAWは自ずと決まって行くようだ。そんな風に外部要因で使うDAWが決まる方が割り切れるようにも思う。
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