暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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暁スタジオ流AddictiveDrumsの音作り・その4

XLN Audio社のプラグインドラム音源、Addictive Drums(以下AD)の音作りについて書いてみる。ADの概要についてはXLN Audioのサイトや輸入代理店ハイレゾリューションの製品ページをご参照いただくと供に、本解説を書いている服部がADをどう捉えているかについてはその1というエントリーをご参照いただきたい。

さて今回は恐らくこのシリーズの最終回。AUXセンドを利用して、ドラムサウンドのアタック感を維持したままコンプレッション感を加える方法を書いてみたい。AD各音源をAUXチャンネルに送る方法は前回を参照してほしい。

最初に腰砕けなことを書くが、今回紹介する方法は少々複雑なので誰にでもお勧めするものではない。が、DAWでは一度テンプレートを作ってしまえば、苦労なく複雑なルーティングを再現させることができる。ドラムのアタック感とコンプレッサーでツブすことで得られる「がんばってる感」を労せず実現・再現できるとなれば、トライする価値はあると思う。

■DAW内でサブミックスを作る方法・・・
まず前回の方法でADの各音源をDAWのAUXチャンネルに送る。便宜上このADから取り出した直後のDAWのAUXチャンネルの一群を(ADの)メインミックスと呼んでみる。次に任意のステレオバスをひとつ用意し、コンプレッサーをインサートしておく。このステレオバスにメインミックス側のAUXセンドを利用して各音源を送る(Fig.1)。何のことは無い、つまりドラムセットのサブミックスを作り、そちらにだけコンプレッサー処理をしてミックスするわけだ。メインミックス側の各チャンネルからの送りレベルはフェーダーと同じくらいのバランスで良いだろう(そこは臨機応変に)。またステレオバスにインサートしたコンプレッサーの前後にEQもインサートしておくと何かと便利だろう。前なのか後なのかも「絶対」は無いが、コントロールしやすいのはコンプ前のEQだと思う(Fig.2)。

auxsend_for_bus.jpg 
Fig.1

submix.jpg
Fig.2 

さてメインとサブのミックスを作り、どうやって音作りをするのか。ケースバイケースではあるが、基本的な音作りはメインミックスの方で行う。EQやゲート処理などはここが正念場であるが、こちらでは各音源への過剰なコンプレッサー処理は控える方が良いだろう。その代わりステレオバス上のサブミックスでがっちりコンプを掛けてやればよい。特にタムやシンバル類のサスティンを稼ぐことができる。双方満足いくような処理を施してやりつつ、メインとサブのミックス具合を種々試してみる。これはドラムだけでなく、アンサンブル全体が見えてこないと最終解は見えてこないはずだ。必要に応じて立ち戻りつつ調整する。

■さらにコンプレッサーにアウトボードを利用する・・・
ところでADの各音源をAUXチャンネルに送る方法で得られるメリットは、各音源にLogic(やサードパーティ)のプラグインを挿せることやサブミックスを加えられることだけがメリットではない。もしこれをお読みのあなたが8ch程度のマルチアウト可能なオーディオインターフェイスと素晴らしいアウトボード実機を持っているなら、サブミックスを作るのと同じ要領で、例えばドラムトップにかけるコンプにはdbx162を使い、スネアにかけるEQにはapi550を使ったりできるのだ。途中にアナログ回路を経由させる効果は計り知れない。

■もうひとつ便利な機能・・・
これらの方法を試す時には、ぜひチャンネルグルーピング機能も併用すると良いだろう(Fig.3)。筆者の場合は各AUXチャンネルとサブミックスを作っているステレオバスまで含めて「ドラムセットのグループ」にまとめている。もちろんミックスの途中でそれぞれのバランスを変えることは頻繁にあるので、その都度グループ解除をする必要はあるが…。

withoutgroup.jpg 
Fig.3

いずれにしても音作りの幅と自由度が広がることはお分かりいただけたかと思う。さらにAUXチャンネルを使うことでオートメーションが自由に書けることもメリットだろう。現実的にはフェーダーグループを組んでいると、スネアだけにオートメーションを書くのは返って面倒なこともあるが、どうしても目立たせたいフィルの、しかしピークを削る意味でスネアの出力だけは瞬間的に押さえたいなんて場合には有効だろう。
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