暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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Keyboardist Union@仙台 Live Vol.12終了

Keyboardist Union@仙台 Live Vo.12が終了した。今回もバラエティーに富んだ内容だった。毎回同じように書いているが、現場でここまでスタイルの違う鍵盤奏者が次々と登場するのを見ていると、(良い意味で)頭がクラクラしてくる。こういうライヴイベントはやはり貴重だと思う。

企画当初は出演者全員がデュオかトリオ、しかも全部ドラムレスという、主催者ですら「ちょっと地味じゃね?」と思ってしまう状態だったのだが、いざ蓋を開けてみれば打ち込み併用のバンド編成ありエレクトーンとバイオリンのデュオありベースレスのバンド状態ありと、地味どころか緩急自在の豪華なアンサンブルが4組出演した。

実は只野さんのバンドのドラマー大光さんが参加するのを知ったのは前日だった。ボララス君は直前の高橋督君の演奏が始まってから会場入りした。当然サウンドチェックもできず、増してや急きょ服部が1曲鍵盤ハーモニカで参加することにさえなっていた。これらの突発事項、突如の変更をイヤな顔ひとつせずきっちりさばいてくれたLivehouse ennのスタッフのみなさんに最大限のお礼を述べたい。打ち上げの席でも高橋督君が「どうしてennのスタッフはあんな風にみんな気持ち良く対応してくれるの?」とennの星君に質問したくらいだ。ennのスタッフ無くしてKeyUniは成立していない…と言うのはあながち大げさな表現でもお世辞でも無い。ありがたいことだ。

只野展也
当日ステージの上でバンド名を「只野展也と仙台ユニオン」と宣言していたが、本当だろうか。このバンドの面々のおつきあいは優に20年を超えているらしく、緻密なアンサンブルと融通無碍なアンサンブルは流石の一言。とにかく全員が力まず、最小限の動きで最大限の音を出している。見習いたい。全曲オリジナル。スペーシーな曲が多く、これも鍵盤楽器で作曲する影響だろうか、と考える。

服部暁典
このライヴのために「VOCE」というバンドを結成。懐かしい曲、大ヒットはしていないが味わい深い佳曲を山田理至(Gt.+Vo.)と斎藤弘介(Bs)をメンバーに迎え演奏した。

1.横顔(大貫妙子)
2.Sweet Memories(松田聖子)
3.よそ者(RC Succession)
4.さよなら夏の日(山下達郎)
5.I Wish(Stevie Wonder)

服部はYAMAHA S90XS1台のみ。それもピアノ、エレピプログラムのみで演奏。いわゆる歌伴なのだが、そもそも王道・オーソドックスな歌伴というものがよくわかっていないので、実際のところ客席にどう響いていたのか一抹の不安がある。もっとも「正解」があるというわけでも無い。今後このユニットがいつどこに現れるかまだわからないが、次はもっとうまくやりたい。

高橋督
エレクトーンと黒瀧英一郎君(Vl.)のデュオ。高橋督君が自身の音楽を演奏するにあたりエレクトーンを持ち出してくるということは、「本気」ということだ。演奏後に実際その旨の発言を本人の口から聞いた。ちなみに私が「どうやったらあんな風に(上手に)演奏できるの?」と聞いたら「もうこれ以上やれないってくらい練習するしかないですね」と言われ服部赤面。自身のオリジナル曲とカバー曲を、きちんとストーリーを描きながら演奏していた。特にエレクトーンという楽器を完全に咀嚼して演奏されるそのオリジナル曲は、もはや人力とか打ち込みとか、バンド演奏とかエレクトーンによるひとり演奏だとかという次元を超越した出来。エレクトーンという楽器を再認識させてくれた。本人による解説はこちら

ボララス
フェンダーローヅピアノとドラムという変則的アンサンブル「ふたりセッションフレンズ」に、平山真衣さん(Vo.+Gt.)を迎えたトリオで登場。以前はローヅで弾き語りというスタイルでも出演してくれたが、実に堂々たる演奏で、今回もベースの不在などまったく気にならなかった。また演奏される曲も良いメロディと歌詞、というシンプルだが至上の基準で選ばれたものばかりだった。その意味では完全にVOCEと被るので、客席で聴いていて歯ぎしりしていた。なぜなら、彼らの演奏でメロディが客席に届き、浸透するのを客席で実感できたからだ。シンプルなエレメントでそれを達成するのは単純に演奏能力が高いからだ。こりゃ一本とられた、という感じ。実は数日前に立ち話で依頼され、その内の1曲「若葉の頃や」に私は鍵盤ハーモニカで参加。とても楽しかった。

これらに加えて、ちゃんもつさんがバンド転換時に幕間演奏。なんとバックトラックを(わざわざ)カセットテープに録音し、ラジカセで再生。それに合わせてトイピアノを演奏した。しかもそれをマイク1本で拾うという念を入れたチープさ。伝家の宝刀YAMAHA CS-01など内蔵スピーカーオンリーという奇想天外さだったが、演奏そのものはものすごくまっとうなもの。ちゃんもつさんは自身とお客様を楽しませる勘所を天性で理解している。

KeyUni恒例服部の機材うんちく話は今回「シンセ漫談」と命名し、デジタルシンセに於けるD/Aコンバータの重要性という話をしてみた。今回は意外とヴィンテージシンセが少なく、しかも只野さんがご自身のステージ内のMCでそれに触れてしまったものだから、今回は本当に困った。服部が持ち込んだS90XSと督君が持ち込んだYAMAHA STAGEAの内蔵波形は同じものだが、コンバータの機能差で出てくる音質が微妙に違うという、実生活にはまったくと言って良いほど無関係のトークを繰り広げてみた。

本当に多くのお客様が最初から最後まで熱心に聴いてくださった。本当にありがとうございました。次回の日程は未定なれど、おそらく来年1月か2月頃にまたお会いすることだろう。

voce_20130727000239.jpg
 L toR 山田理至、服部暁典、齊藤 弘介


※2013.07.28.追記 平山真衣さんのお名前、そして飛び入り参加した曲名の誤字・誤表記を訂正。大変失礼いたしました。
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