2013.08.29 Thu
旅プロの夜は更けて
昨年晩夏に仏蘭西へ留学した水沼が一時帰国した。誠実な男なので多くの友人たちから歓迎を受け、ほんの1ヶ月ほどの滞在時間にいろいろなプロジェクトから引っ張りだこになっている。高橋督も忙しい男だが何とか時間を作ることができた。ほぼ1年ぶりの旅プロを仙台市青葉区、壱弐参(いろは)横丁内のカフェEURにて実施。
旅プロはいつもそうなのだが、別に楽器に向かうわけではない(向かうこともある)。ただ正直にお互いの考えを交換するだけである。同意もあるが否定もある。疑問もある。必ずしも解決するわけではないが、お互いが正直に話しているので、同意できなくても認め合うことはできる。旅の同行者であって家族では無い。歩む速度が違っていても良いし、立ち止まっても良い。以前と変わらずにそういう心地よい独立性を確認できる時間であったのがまずとても嬉しい。
仏蘭西で浴びるように勉強している水沼が遠い境地へ行ってしまったのではないかと思っていたが、現実には大いなる悩みの中にいた。わかりすぎることによってわからなくなることがあるのだ。多くを知ることによって何が正しいのかわからなくなる、のだろうか。ただ話を聞けば、「何が正しいのかわからない」ながらも「自分の欲する音かどうか」にはものすごく敏感になっているようだ。それが留学の効果かもしれないが、本人は苦しそうだった。ただ督も私もこの点についてはあまり過剰には心配しておらず、心の中のズレが元に戻ってくれば、すごい音楽が彼の中から流れ出てくるはずだということも確信できたりする。根拠も無いのに確信できるのも不思議な話だが。
高橋督の自分への厳しさを、先日のKeyboardist Union@仙台で私は再び直視することになったのだが、それゆえに滞っているのが数年来作業し続けている彼のアルバムである。曲も揃い録音そのものはほぼ終了しているはずなのだが、完璧主義ゆえに完成の瞬間を見定めることができないのだ。水沼も私も昨年からやいのやいのとけしかけ、説得を続けてきた。この夜も言葉を様々に変えて完成という区切りをつける意味を説いてみたが、「わかってるんだけどねぇ〜」的なのらりくらりを督は繰り返す。そこで業を煮やした私は、プロデュースを買って出てみた。締切を切ってやる。だからそれに従え、と。督は「うーん。わかりました」と言ったものの半信半疑であるようだ。なので私は「高橋督ファーストアルバム「@1st.」2013年12月24日発売決定」と全世界に向けてツイートした。もう後には引けまい。短期決戦で何が何でも形にしてやる所存である。ご期待いただきたい。
EURの食べ物も飲み物もとても旨い。時間はあっという間に過ぎた。次に旅プロの3人が集まるのはいつだろう。楽しみに待つしかない。水沼、督、ありがとう。
| 旅プロ | 00:53 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
「@1st.」大歓迎! 期待しております。
この構図、少しLa Passione の時に似てないか??
第三者への仕返し?
| masa | 2013/08/29 09:42 | URL |