暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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録音日記20131108

高橋督君のアルバム作りは時間との戦いだが、自分のアルバムは逆に縛りが無さすぎる。それが良くもあり悪くもあり。

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今寸暇を惜しんでダビングを繰り返している自作曲がある。あまり代わり映えのしない「服部の曲」なのだが、周囲の優秀な作曲能力を持った友人たちの作品を聴くにつけ、少しは私も得るものがあったのだろう。具体的には取捨選択や肉付けを楽しく思えるようになってきた。アレンジ、演奏、レコーディングそのものにはより時間がかかるようになってきているのだが、全体を見渡しつつ弾いたり消したりするのは楽しい。いつ発表できるかまだわからないが、いずれは何かしらのパッケージとして発売したいと思っている。

さて、自分の制作環境のあれこれなど。

最近はごく初期のスケッチ段階を除けば、MIDIレコーディングをあまり行わなくなってきた。あれこれ弾いてみて、良ければオーディオデータとして記録してしまう。「いつでもどんな手直しでもできる」精神状態と「後が無い」精神状態での演奏にはそれなりに差が付くものだ(余談だがかつてダイレクトカッティングでアルバム録音していたミュージシャンには畏れや尊敬という前にあきれてしまう。どんだけ上手いんだ、あんたらわ!)。

またリズム以外は、ソフトウェア音源もあまり使わなくなってきた。そもそもLogicPro純正のものしか持っていない自分があれこれ言っても説得力が弱いが、私の印象ではソフトウェア音源は「平面を埋める」ことは得意だが、エッヂの尖った音を出すには工夫が必要だと思う。それなりに工夫すれば望む結果が得られるならがんばることもやぶさかではないが、別問題としてマウスを使って画面とにらめっこするエディット作業のストレスは如何ともしがたい。その結果「もう一工夫」のモチベーションが下がってしまう。思うに、今自分の音楽に必要なシンセサイザーの音とは、バリエーション豊富な匿名性の高い音ではなく、バリエーションは少なくても存在感の強い音と言える。今のところその基準で使用するシンセを選ぶ時、ソフトウェアよりもハードウェア、ハードウェアシンセの中でもより個性的な音を出せるもの…という風になっていく。それを手弾きで録音していく絵は、約30年前前にKORG POLY-61が1台と4トラックのカセットMTRで昼夜の区別なく自作曲を録音し続けていたあの頃と、本質的には何も変わっていない。

反面その頃とは劇的に変わったのがリズム楽器の打ち込み作業だ。現在のその作業は、アレンジ作業とほぼ同義であり、MIDIレコーディングという手法無しでは先に進まないという現実もある。選択肢が増えたので多くの要素を盛り込みたいし、そのアレンジは試行錯誤の連続だからだ。

私はまず曲の骨格をピアノなどの音源でスケッチしてしまい、その上でリズムアレンジを追い込むことが多い。リズムセクションがある程度形になったら、どんどんシンセをオーディオでダビングしていく。この作業切り替わりのタイミング前後が一番楽しい。どんどん音を重ねていくと、当然どこかの段階で飽和するのだが、夢中になってやっていると飽和点を見失うことがある。聴こえてくるフレーズを全部記録してしまいたくなる病気だ。そろそろその状態に、今手がけている曲はなりかけている(笑)。一旦冷静になる時間を持つべきかもしれない。
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