暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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できません。

子育てを考えるワークショップの成果のひとつとして、集めたアンケートの生の声を歌詞として編む。それを私が曲として完成させるという依頼をいただいた。歌詞付きの曲を作ること自体が少ない上、歌詞先行。チャレンジである。

でき上がった歌詞を少し揉んだりして、メロディを考える前から関わらせていただいた。あくまでアンケートの生の声が生かされていることが前提だから、普通の作詞作業とは異なる。作詞を担当されたIさんは相当ご苦労しただろう。服部が色々意見を出したので、むしろ苦労の種を増やしたとも言える。ただ関わるならわずかな伸び代も見逃したくない。良くなる要素に見て見ぬふりはできない。もっとも作詞家に対するそれは、作曲段階になれば全部自分に返ってくるブーメランみたいなものである。歌詞が完成していざ下駄を預けられたら、やはりそれはブーメランであった(笑)。

この話に関わると決めてから曲の出来上がりについて心がけていたことがいくつかある。簡単に書けば「ポップなものであること」「明るく、希望を持てるものであること」であろうか。歌詞の内容も言葉の並びも、いわゆる歌謡曲のようなものでは無い。かと言って小中学校の校内合唱コンクールで歌われるようなものではなく、覚えやすいリフレインのある容易に口ずさめるものにしたかった(昨今の合唱コンクールで歌われる曲はずいぶん歌謡曲みたいなものが増えたけど)。言うは易し行うは難し。プロデューサーから「ポップで明るいヤツ、頼むよ!」と屈託ない笑顔で言われたら、「ふ・ざ・け・ん・な・よ〜っ」とそっと拳を握りしめるレベルである(笑)。

(中略)

曲ができあがった。演奏するのはワークショップの参加者である。当初ピアノ弾き語りとベースのアンサンブルで…と言われていたが、いざでき上がった曲を客観的に聴いてみると、弾き語るには中々に難曲であるように思える(おまえが言うな)。デモ音源をお渡ししたところ、本番はカラオケをバックに弾き語るから、カラオケを作ってくれと追加指示が来た。キーの指定も来た。

さてこのエントリーはここからが本題である。依頼されたカラオケを作るべく改めてDAWに向かってコツコツと弾く。アンサンブル自体はシンプルなのだが、弦楽四重奏を入れたいなぁと考えた。先日ようやく完成した髙橋督のプロジェクトでは、彼の入魂のストリングスアレンジをたんまり聴いた。自分もああいうのやってみたいなぁ、と。壮大なバラッドであることだし(笑)。と言うことでさっそく考えてみるのだが、これが思った以上に難事業である。自分の中にある「ストリングスアレンジが美しいあの曲・この曲」のイメージを思い描きつつ鍵盤に向かうのだが(この表現、矛盾してる)、思ったように行かない。

・メロディを阻害せずに、対位置にいる
・ストリングスフレーズそのものがフレーズとして生きている

達成したいこの2点をどうしてもクリアできない。改めて勉強をさぼってきた罰を受けているような気持ちになりつつ、なんとかなってんじゃねぇか?というものができた。大きな課題をクリアしたので今度はギターを録音した。ディストーションギターの壁を作る魂胆である。いざギターを弾き終わって仮ヴォーカルも録音し、ラフミックスを作ってみる。

んー、なんだか息苦しい…。ピアノ、ベース、ストリングスセクション、ギター、僅かなシンセベル等々というベーシックな構成なのだが、隙間が無い。特にギターの壁が現れる後半は演奏している誰もがいっぱいいっぱいである(笑)。試みにストリングスをミュートしてみたら、とてもすっきりした(笑)!おまえか!!息苦しさの原因は!!どうしよう。ストリングスアレンジなんて、できません。
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