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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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暁スタジオ流・Addictive Drums2の使い方

プラグイン音源AddictiveDrums2(以下AD2)を日常的に使うようになって数ヶ月が経過した。Ver.1時代と基本的な使い勝手は変わらないが、細かい部分でより良くなった部分もある。DAW上でVer.1と併用できるものの、完全にAD2がデフォルト化している。

ad2_1.jpg

インストール後最初に驚いたのは音が良くなった点である。「良くなった」では漠然としているが、これまでは中域にピークのあるロックな音色が特徴で、結果的に万能のドラム音源とは言い難い印象があった。AD2になっても基本的な印象は同じだが、より高域がクリアに、伸びのある音になった。勘違いかもしれないが、もしかしたらアルゴリズムの書き替えなど、根本的に音色のアップデートが行われたのではないか。だってサンプルは同じでも聴こえ方が違うのだから。

で、その変化は大歓迎すべき変化であり、ヴェロシティ値で言うところの80〜110の範囲の表現力が増したように思う。もっと小さい20〜40くらいの範囲、つまりそれはゴーストノートや装飾音符の範囲だが、オケの中の残り方が違う。相変わらず音色の根本的な傾向はロックであるが、こういう部分がしゃっきりしたおかげで、フュージョン系の自分の曲にも、よりマッチするようになったように思う。

しかしそもそも「フュージョンドラマー」ってのはいないと私は思っていて、フュージョンぽいインストゥルメンタルのドラマーの出自は様々なはずだ。ジャズな人がロックっぽいドラムを叩く、ロックな人がジャズやラテンぽいアプローチをする、みたいな差があるだけなのだと思う。AD2は音色で言えば後者で、その辺は自分の嗜好と合っているのだろう。前者の音が好みの人は、わざわざAD2を買わなくても良いと思う。

私は各音源(バスドラやスネアやタムと言った各パーツ)ごとにすべてパラレルアウトしてLogicのAUXチャンネルに送っており、基本的にEQやコンプレッサーなどはLogic由来のものを使用して音作りする。従ってAD2内部の音作りに関する魅力的な機能はスルーしているのだが、そうやって素の音を聴いてみれば、AD2もやはりロックだ。同時にパラアウトの素の音とプリセットプログラムの音を聴き比べると、AD内部のEQやコンプレッサー類が如何に仕事をしているかと言うこともよくわかる。EQとコンプレッサーの効果を手っ取り早く実感できるし、作曲段階で気分をアゲて行きたい時などはものすごく便利だ。

ad2_2.jpg

もし私が生ドラムのマルチマイク収録の現場を知らず、またラージコンソールのチャンネル機能を知らなかったら、ADを始めとした昨今のプラグインドラム音源は使いこなせなかったと思う。いや、知らないでプリセットを使っている方が楽なのか…?
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