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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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便利なのか?怠慢なのか?

昔の曲を作り直す話。この曲には共作者がいて、そもそもはいっしょにあーだこーだやりながら作り直すことになるはずなのだが、ノーアイデアで顔を合わせても空中分解してしまう可能性もある。「これだ!」でも「いや、こーじゃなくて」でもいいから、叩き台になるものがあった方が絶対に良いだろうと思う。その叩き台を考えるにあたって、ひとまず単純なリズムとハーモニーだけでも打ち込んでおくか…というのが今の状態である。

その際に先にエントリーしたAddictive Drums2の感想が出てきたわけだが、エレピの音質についても感じるところがあった。プラグインエレピ音源のEVP88を使ってハーモニーを弾いてみると、モワッと言うかゴワッと言うか、とにかく180〜300Hzくらいの中低域がやたらと豊かで、ヴォイッシングに気を使わざるを得ない。私の音楽能力では、曲のムードを掴むためにかなりべたっとしたハーモニーを弾いてしまいがちで、結果的にそのテイクは残したとしても、曲のブラッシュアップのどこかの段階でほぼ確実にミュートされてしまい、たいていは改めて録音しなおすことになる。

試みにある夜の作業ではそのEVP88のトラックにEQをインサートし、180〜300Hzくらいの中低域をばっさりカットし、加えて3.5kHz付近を少しブーストしてみたところ、グシャッと弾いてもドラムとケンカしないように聴こえるようになった。これを便利とみるか演奏者としての怠慢とみるかは評者の立ち位置によると思うが、「素早くスケッチを仕上げる」という目的を達成するためにはとても安楽だ。実際私ごときの腕では、ヴォイッシングに音響的注意を払う必要がなくなるだけで仕上がりが早くなる。

eqmidcut.png

こういう能力は、やはりライヴ現場で鍛えられていくものなのだろう。ライヴ、やりたいな。
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