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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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モノラル素材礼賛

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自分の曲の楽器ダビングは、最近どんどんモノラル録音が増えている。ステレオアウトのシンセなどもわざわざモノラルで録る。考えてみればステレオで発音する生楽器などほとんど無いように思える。ストリングスやブラスのセクションなどになれば、音源自体に幅があるので、ステレオでの収録が有効になる面はあるが。ドラムのオーヴァートップもそうだ。

あるいはモノラルの音源をモジュレイション系のエフェクトで左右に広げた際のステレオ効果も捨て難い。多用しなければインパクトは強いし耳にも心地よい。わかっている。そういうことはわかっていて敢えてモノラル録音の素材だけでステレオの曲を構築してみたくなるのだ。

モノラルで収録した楽器たちのミックスは、これはこれでノウハウが必要であることもわかってきた。とは言えパンニングによる整理は断然しやすい。これに慣れてくると、べたっとステレオで左右に張り付いていた音源ばかりのミックス作業はなんだったのか、と思わずにいられない。それにモノラル音源を多く含んだ曲のミックス作業は、エンジニア的な視点の他にアレンジ上のヒントも多い。シンセ弾きがやってしまいがちなことだが、最初から存在感100の音源を足して200、300としていくよりも、存在感15や20のモノラル音源でアレンジを組み立てて、それらフレーズの足し算の結果で100とするのとでは、当然曲の印象に違いが生まれるはずだ。凸だけでなく凹も作っておかないと、聴き手はリスニングの中心を掴みにくいように思う。その意味で、モノラル音源でアレンジを組み立てていくと、残しておくべきスペースと埋めるべき隙間を、これまでよりも認識しやすいように思う。
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