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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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過不足無い演奏1:鍵盤ハーモニカ修業

鍵盤ハーモニカは演奏していて楽しい。何と言っても単音のフレーズを弾くだけというのはシンプルで良い。純粋にフレージングに集中して良いというお墨付きをもらったように思える。それは同時に難しさでもあるのだけど、まずは。

ここ最近、自宅で鍵盤ハーモニカの練習をしている。猛練習ではなく、せいぜい30分〜1時間くらい。怠けていたのでまずはブレスや鍵盤を演奏する感覚を呼び戻すことに注力している。ひとりでぷーぷー吹いていてもツマラナイので、iPodの収録曲をシャッフル再生して、とにかく流れてきた曲に乗る!みたいな練習である。こういう妄想練習は実は大好きで(笑)、その曲のアンサンブルに自分が鍵盤ハーモニカで参加していたら、どう吹くか?とか、この曲をインストでカバーするとしたら?みたいに曲ごとにアプローチは違う。シャッフル機能によるランダム再生だから、ジェリー・マリガンのライヴの次にアニソン、次いでパット・メセニーなど、とにかくめちゃくちゃなのだが、そもそもiPodに入っているのは好きな曲ばかりなのだから、気にならない。指の動くのにまかせて演奏するのは楽しい(練習としてはイマイチだが、まずは身体感覚を呼び覚ますのが目的なので大目にみてください)。

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本番と同じセッティングで練習すべきだ

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ピックアップ付き、かつ世界で一番鍵盤数が多い鍵盤ハーモニカ、HAMMOND44

むしろそのことで明らかになるのは、曲の好き嫌いよりも理解の深さ浅さだったりする。理解の深い曲を演奏する時は、我ながらちゃんと曲にはまっている演奏ができていると思う。しかしなんとなく上っ面だけ聞いていた曲はすぐに乗っかることができない。ミストーンは言うに及ばず、余計な音が多かったり妙に力んでいるし、単にメロディをなぞっていても次の音にすぐに行けない。うまく吹けないと癪に触るので、何度かトライする。するとあまり力まずに吹けるようになってきて、逆に「こういう曲の理解の仕方もあるか」と驚きもする。

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ピックアップ付きと来たら当然エフェクターかましますわね。BOSS ME-70

いずれは練習の次のステージに進まねばならないが、私が一貫して気にしているのは「力まない」ということかもしれない。優れた演奏のほとんどは、身体的にきれいに脱力した上でその時の自分の考えや、場合によっては感情を音に乗せていると思える。

力まないということは、別の言い方をすれば「濁らない」ということかもしれない。余計な力みがある演奏が重なると(要はアンサンブルメンバーの皆が力んでいると)アンサンブルが濁るように思う。過不足ない演奏は本当に難しいが、それもこれもすべて日々の鍛練なしには語れない。ぷーぷー。
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