暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

復活!・YAMAHA S90XS

2015年末にYAMAHA S90XSを修理した。どのような故障だったかと言うと、USB B端子の不良である。Sシリーズは音色作りの大半をコンピュータ上で走るエディターソフトに依存しており(本体上では限られた操作子しかエディットしかできない)、演奏に支障はないものの、つまりコンピュータと接続できないということは単なるプリセットサンプラーのようなもので、シンセサイザーとしては宝の持ち腐れとなってしまうのだ。

s90xs2.jpg


s90xs_20160106234045026.jpg
買って早々に背面はすべてマットブラックに塗りつぶした

故障してからずいぶん長いこと放置していたが、ぼう然と手をこまねいていたわけではない。ミュージシャンにして某楽器店で電子楽器・音響機器のメンテナンス業務に従事した経験を持つ、親切なKさんによる開腹手術を受けたことはすでに報告した。最初の手術はこちら。リトライの記録はこちら

usb06.jpg


2度の開腹手術の結果、USB端子が装備されている基盤を丸ごと交換するしか選択肢が無いところまでは対応策は追い込めた。その後修理費用調達というもっぱらの障害を克服するのに1年以上かかってしまったが、晴れて2015年の年末、(株)ヤマハミュージックリテイリング仙台店のSさんに相談してみた次第。

ヤマハ電子楽器の修理はヤマハサービスが作業してくれるのだが、上記店舗内にあるわけではない。仙台の場合、それは仙台港近くの北関東ピアノ運送(有)仙台営業所内にあるのだ。店舗に持ち込んだ方が良いか直接ヤマハサービスに持ち込んだ方が良いかSさんに確認したところ、どちらでも良いとのこと。ならばと仙台港まで行くことにした。私は現場の人が好きなのである。

kitakan.jpg

ただしこの経緯はやや特殊である。先の経過を示したリンク先エントリーに書いたとおり、自分のS90XSはユーザーが勝手に基盤をあれこれいじった個体である。単純に修理を依頼しても、保証外(と言うか修理拒否)となる可能性もある。Kさんからヤマハサービスのエンジニアさんへ事情を説明してもらう必要があったのだ。電子楽器の勝手な修理は自己責任である。通常の故障ならまず販売店、もしくはメーカーへ相談するのが鉄則である。「どの口が言うか」って?はい、わかってます。

さてそう言った手間をKさんにかけつつ、修理依頼も受け取りもスムースに運んだ。修理に預けたのが2015年12月10日、受け取りが21日であった。17日頃に作業完了の連絡はいただいたが、動作確認に週末を挟んでしまったため、10日もかかってしまった。作業が混み合っていなければ、実際は1週間程度で仕上がるのだろう(正式依頼の後に部品が発注されるため、到着までのタイムラグも含めて)。先のリンクを張ったエントリーにも書いたが、昨今のデジタルシンセサイザーは複雑な機器構成にはなっておらず、基盤、基盤、基盤である。USB端子やその交信データを処理するチップのハンダを剥がして、基板上の部品を交換するという選択肢は無いのだ。Sシリーズも業界的にはもはや古参。今後の修理は都度応談という情報も漏れ伝え聞こえてくる。せっかく報告できた本件だが、修理費用などは今後のケースでは異なる可能性があることを付け加えておく。筆者の場合、作業後のNG基盤は廃棄せず受け取ってきた。最悪の場合ドナーにするつもりである。Sシリーズはユニークな立ち位置の良質なシンセサイザーなので、末長く使うつもりである。

暁スタジオに戻ったS90XSをMacに認識させ動作確認。はい、無事にエディットできました。なんだか音源1台儲けた気分(笑)。故障を放っておいた間にドライバーやエディターアプリがバージョンアップしていて、軽く浦島太郎気分である。機材が完調であることは気分がいい。S90XS君、待たせてごめんね。これからもよろしく。

editor.jpg


●謝辞●
Kさん、開腹から故障箇所断定〜修理の段取りまで、今回は本当にお世話になりました。Sさん、問い合わせたものの素通りで処理が終わることになってお騒がせしました。感謝いたします。
スポンサーサイト

| 機材 | 23:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://acatsukistudio.blog60.fc2.com/tb.php/1149-bfca048b

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT