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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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歌謡曲の語り部たらん。「VOCE」再始動

音楽には様々なジャンルがあるとされているが、所詮は他人との意志疎通をいくらか楽にする程度の意味合いしか持っていないと私は考えている。そんな私からすると、歌謡曲でも流行り歌でもニューミュージックでもコンテンポラリーミュージックでも、呼び方こそ多種多様でも実態はほぼ同じものだ。


残念なことに、日本語歌詞付きのそういう音楽は時代性が強く、結果的に良い曲でも時間の彼方に埋もれてしまうことが多い。時代の空気を色濃く反映すればこそ、それは一種の宿命であり、その良曲を誰かが伝える努力をしなければ、埋もれていってしまう。

コンテンポラリーミュージックに携わる者は、その時代の考え方や生き方を写すオリジナル曲を創作すべきだと私は考えている。良い曲かそうでないかは聴き手が判断することだし、もしかしたら時代が判断することなのかもしれない。作る方はとにかく作るしかない。だから「カバー」と称して人様の曲をやってる場合じゃないと、極端に言えばそう思っている。

だがしかし、ある程度の年齢に達すると、人は自分よりも若い人たちに自分の知識を伝えたくなるものらしい。「良曲を誰かが伝える努力」もそういう気持ちの発露と言えなくもない。繰り返すが、誰かが伝えなければ、ジェネレーションギャップを乗り越えられず、埋もれていく良い曲というのはあると思うのだ。

2013年に一度だけライヴを行ったユニット「VOCE(Vo.+Gt.山田理至、Bs.齋藤弘介、Key.服部暁典)」というユニットは、そういう埋もれていく曲を発掘する、言わば「語り部」のような存在になりたいと思って始動したものだった。手応えもあったのだが、メンバーの生活の都合などからずいぶん放置されていた。しかし後藤浩輝(Gt.)、水野玲奈(Dr.)というメンバーを加えて、再始動することになった。選曲の基準は「アルバムB面の3曲目あたりに収録されてて、知る人ぞ知る曲ではあるが、実は単体で聴いてみるとすごく良い曲」「かつてヒットしたものの、その後誰もその曲を歌い継いでいない曲」である。まぁ必ずしもその基準だけではないが、要は「あぁ、あったな〜、こういう曲。今聴くとしみじみいいね」という曲を様々なアレンジで演奏してみたいのだ。

そのVOCE、2016年6月30日に再始動ライヴを行う。詳細はまた改めてお知らせする。お楽しみに。
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