2016.07.30 Sat
花巻・田舎laboふたたび
昨年7月に続いて再び花巻の田舎laboを訪れた。クルマツーリング目線で書いた道中の記録はこちら。
「MiToで行く!・行くぜ花巻、県道だけで プレゼン時点で断られても」
今回の訪問用件はライヴの打合せである。そもそも田舎laboのオーナーであるごん所長はキーボーディストにしてサウンドクリエイターである。私の周辺のミュージシャンでごんさんを知る人のごんさん賛辞は止まらない。細々と続いていたSNS上でのやりとりでもお人柄が良いことは感じていたが、2015年に初めてお会いして、ますますごんさんと奥様が好きになった。
「MiToで行く!・行くぜ花巻、県道だけで プレゼン時点で断られても」
今回の訪問用件はライヴの打合せである。そもそも田舎laboのオーナーであるごん所長はキーボーディストにしてサウンドクリエイターである。私の周辺のミュージシャンでごんさんを知る人のごんさん賛辞は止まらない。細々と続いていたSNS上でのやりとりでもお人柄が良いことは感じていたが、2015年に初めてお会いして、ますますごんさんと奥様が好きになった。
そのごん所長が花巻市内のあるイベントで、ゴリゴリのFUNKを演奏したいからバンドメンバー募集!という無茶をやっており(笑・もちろんSNS内の閉じられた関係へのメン募だったわけだが)、チャンスを狙っていた私はためらうことなく「いっしょにやりたい!」と挙手したもの也。
HATE them ALL FEST’16
2016年8月20日(土) 10:00〜20:00
戸塚森 森林公園(花巻市石鳥谷)
かくしてごんさんは全員を知っているが、ごんさん以外のメンバーは初顔合わせというバンドが誕生した。その名も「GON and THE FAMILY SOUL」。初顔合わせにしてファミリーというパラドックスを内包した素晴らしいバンド名である(笑)。この日はキーボーディストが二人もいるバンドでの、お互いの受け持ちをどうするか、という相談をしにいった。「なんか、ベーシックなところは服部さんにやってもらってー」「ふんふん」「オレはソロしか弾かない、みたいな」「はぁはぁ」「どっちかというとB.B.キングみたいな、歌ってたと思ったらギターソロみたいな。で、ソロだけ!みたいな」「わはははは」という非常に観念的な打合せをトータル5分で終え、あとは楽しいお話をたくさん伺った。
田舎laboには楽器もあり、ミュージシャンが集まると即興セッションが始まることもあるという。近隣に住宅も見当たらないので、夜にリハーサルもできる。実にうらやましい。

labo内の音楽制作スペース。
まだ"MACKIE DESIGN"社だったころのCR-1602に
カーバーのアンプとセレッションのスピーカーとか、
はっきり言って通なセレクト

花巻、大沢温泉の入り口わきにある
ウェブサイトを見ていただければお分かりいただけるように、田舎laboをひとことで説明するのは難しい。創作・制作のスペースである。YES。作家の作品の販売所である。YES。サロンである。それもYES。楽器演奏ができるスタジオである。それも多分YES。集まる人によって表情が変わる場所なのだ。それはつまり受け入れるごん所長をはじめとする研究所員の懐が広いから、とも言える。堅牢で拡張性の高いOSがあるから、いろいろなアプリケーションを走らせることができる。
そして以前にも書いたが、この田舎laboが花巻にあることが重要なのである。表現を志す人は日本全国にくまなくいるのに、それを受け止めるギャラリーだったりスタジオだったりは都市部に集中している。都市部では機能が自然に細分化されてしまい、当然のことながらそこに集まるアーティストも細分化されてしまう。あそこに行けば様々な同志に会うことができる…という環境は、表現者にはとても重要なことだと思うのだが。ライブハウスに絵書きはいないし、貸しギャラリーにジャズミュージシャンはいない。
だが田舎laboはそれが全部ごちゃまぜになっている。そこが素晴らしい。「アートとはなんぞや?」みたいな「お高くとまった」雰囲気もない。やりたいことを自然に集めた結果が今の田舎laboで、それはこれからもどんどん姿や規模を変えて行くのだろう。もちろんごんさんでも奥さんの博美さんでも、「アートってなんでしょうね」と尋ねればそれなりにお答えいただけるものと思うが、田舎laboの店内でそんなことを尋ねるのは「私は不感症です」と宣言するようなものだ。なぜなら店内で販売・展示されている作品ひとつひとつが、その答えだからだ。そういう素朴だけど力のある作品を飄々と商っている。その意味では東京も京都も花巻も関係ない。むしろ閉じられていればいるほどいいんじゃないかとすら思う。ピクトグラムをあしらった方言缶バッヂ、買ってくればよかった。
というわけで、リハーサルのためにもまた田舎laboを訪れる予定。
HATE them ALL FEST’16
2016年8月20日(土) 10:00〜20:00
戸塚森 森林公園(花巻市石鳥谷)
かくしてごんさんは全員を知っているが、ごんさん以外のメンバーは初顔合わせというバンドが誕生した。その名も「GON and THE FAMILY SOUL」。初顔合わせにしてファミリーというパラドックスを内包した素晴らしいバンド名である(笑)。この日はキーボーディストが二人もいるバンドでの、お互いの受け持ちをどうするか、という相談をしにいった。「なんか、ベーシックなところは服部さんにやってもらってー」「ふんふん」「オレはソロしか弾かない、みたいな」「はぁはぁ」「どっちかというとB.B.キングみたいな、歌ってたと思ったらギターソロみたいな。で、ソロだけ!みたいな」「わはははは」という非常に観念的な打合せをトータル5分で終え、あとは楽しいお話をたくさん伺った。
田舎laboには楽器もあり、ミュージシャンが集まると即興セッションが始まることもあるという。近隣に住宅も見当たらないので、夜にリハーサルもできる。実にうらやましい。

labo内の音楽制作スペース。
まだ"MACKIE DESIGN"社だったころのCR-1602に
カーバーのアンプとセレッションのスピーカーとか、
はっきり言って通なセレクト
前回の訪問時からlaboは移転し、店舗はより広くキレイになった。私は以前の店舗の佇まいがとても好きだったが、初めて訪れた現在の店舗も居心地が良く、やっぱり好きになった。結局建物というハードウェアよりも、「誰が」「何をしているのか」というソフトウェア的な事柄の方が大事なのだな、と再確認する結果になった。

花巻、大沢温泉の入り口わきにある
スイソー展やってます
ウェブサイトを見ていただければお分かりいただけるように、田舎laboをひとことで説明するのは難しい。創作・制作のスペースである。YES。作家の作品の販売所である。YES。サロンである。それもYES。楽器演奏ができるスタジオである。それも多分YES。集まる人によって表情が変わる場所なのだ。それはつまり受け入れるごん所長をはじめとする研究所員の懐が広いから、とも言える。堅牢で拡張性の高いOSがあるから、いろいろなアプリケーションを走らせることができる。
そして以前にも書いたが、この田舎laboが花巻にあることが重要なのである。表現を志す人は日本全国にくまなくいるのに、それを受け止めるギャラリーだったりスタジオだったりは都市部に集中している。都市部では機能が自然に細分化されてしまい、当然のことながらそこに集まるアーティストも細分化されてしまう。あそこに行けば様々な同志に会うことができる…という環境は、表現者にはとても重要なことだと思うのだが。ライブハウスに絵書きはいないし、貸しギャラリーにジャズミュージシャンはいない。
だが田舎laboはそれが全部ごちゃまぜになっている。そこが素晴らしい。「アートとはなんぞや?」みたいな「お高くとまった」雰囲気もない。やりたいことを自然に集めた結果が今の田舎laboで、それはこれからもどんどん姿や規模を変えて行くのだろう。もちろんごんさんでも奥さんの博美さんでも、「アートってなんでしょうね」と尋ねればそれなりにお答えいただけるものと思うが、田舎laboの店内でそんなことを尋ねるのは「私は不感症です」と宣言するようなものだ。なぜなら店内で販売・展示されている作品ひとつひとつが、その答えだからだ。そういう素朴だけど力のある作品を飄々と商っている。その意味では東京も京都も花巻も関係ない。むしろ閉じられていればいるほどいいんじゃないかとすら思う。ピクトグラムをあしらった方言缶バッヂ、買ってくればよかった。
というわけで、リハーサルのためにもまた田舎laboを訪れる予定。
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