暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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パレットおおさき星空演奏会「宙(そら)のかがり火」無事終了

「パレットおおさき星空演奏会-宙のかがり火-」、無事終了した。90名を超えるお客様にご来場いただいた。ありがたいことである。

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プラネタリウム装置「ヘリオス」くん


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人生初のひとり演奏会は、やってみれば多くのものを得ることができた。自分でも笑ってしまったのだが、前半は緊張していた。指が思ったように動かない。耳はビンビンに聴こえるのだけれど…。ざっと見渡すと自分と同じくらいかもう少し上の年齢層のお客様が多い感じ。お客様にしても初めて聴く曲ばかりなのだから、お互い探り探りで(笑)。そういう空気を察したので前半はMCを多めに入れた。これがバンドでの演奏だと、自分の演奏だけでなくメンバーや客席の空気など、収集して消化しなければならない情報が多岐に渡るが、ソロの場合はあくまで自分自身の中に全てがあって、それを投げた客席とのキャッチボール次第という部分がある。やってみないとわからないものですね。

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今回「カラオケ+鍵盤ハーモニカとピアノのひとり生演奏」と定めるにはそれなりに逡巡があった。自分の音楽を表現するのにもっとも適した形態は恐らくバンドなのだが、種々の事情がそれを許さない。そこで真逆のスタイルを思いついたわけだ。一度完成させて発表した音源の主要部分(メロディとか)を現在の感覚で弾き直すとどうなるのか…という純粋な作り手としての興味もあった。そもそもそれら音源はベストなメンバーでベストな演奏を収録しているわけだし。そういう思考経過があって当日を迎えたわけだが、終わってみれば与条件下ではベストな選択だったと思う。「わたくし、こういう者です」という名刺代わりのパフォーマンスになっていたはずだ。

過ぎ去ったことをあれこれ言ってもしょーがない。機材的な話をしようじゃあないか。

ひとり演奏というスタイルを決めると、カラオケ再生のための機材選定が最大の問題だった。手持ち機材で一番シンプルなのはMD再生。懐かしい。私が所有するSONY MDS-E11だと1曲再生するごとにスタンバイ状態になるモードがある。加えてワイヤードリモコンによる操作もできる。便利かつ確実なのだが、MD音質にはもう戻りたくないなぁというのが正直なところ。

チャレンジの意味も含めて、今回はMacBook Pro(Retina,15inc Mid2015)上のDSP-Quattroで再生することにした。マスタリング用アプリだが、その分音質・音量調節が容易な上、曲間時間の調整も自在だ。特に会場の音響特性によって音質を音源レベルで調整できるのは大きな利点と考えた。結局リージョンエフェクトは使用せずマスターアウトにリミッターをかけただけで、MBPのオーディオアウトから直接出力(音質云々と言う割りにはオーディオI/Fは持ち込まず)。現場では曲毎の音量差を微調整するだけで大丈夫だった。

でもそういう調整って、本気でやるなら自分が客席に座って、ある程度時間を作って腰を据えてやらないとダメですね。残念ながら今回はそういう時間はなかった。会場はそもそもプラネタリウム施設だから、音楽に適した音響装置があるわけではないけれど、それでもパレットおおさきの音響設備はデフォルトで満足いく音質ではあった(音楽用にはローが足りないくらい)。

演奏者用モニターにはキーボードアンプ、Roland KC-300を使った。これが大正解で。モニターミックスを作ればもっと良かったとは思うが、これは次回の課題にしよう。

実は今回、MBPのディスプレイが明る過ぎるというプラネタリウムならではの問題があった。ディスプレイ照度を最低にしてもまだ明るいという。そこでディスプレイに照明用フィルターをかけた。これで解決かと思われたのだが、盲点はMBPディスプレイ背面にあるりんごマークだった。演奏会の途中で挿入された「星空解説」は純粋にいつものプラネタリウムで、会場内は本当に真っ暗になる。この時りんごマークが燦然と輝いてしまい…(笑)。リハーサルでは星空解説はやらなかったもんなぁ(笑)。会場内にいたボランティアスタッフのWさんの機転によって(手で覆い隠す(笑)!)乗り切った。それでもフィルターをかぶせたディスプレイの明かりがやはり星空投影に影響を及ぼしていた。プラネタリウムって本当に繊細なのね…。このブログをお読みで、もしこれからプラネタリウムで演奏するという人はご注意である。

演奏曲目を記しておく。
01.やさしい風
02.WBG(仮)
03.やくそく
04.Et Ranger
05.Life is (not) so easy
〜星空解説〜
06.Planetarium Ballad(仮)
07.Entrust
08.大航海時代
09.Tight Rope
10.Ribbon in the sky(Stievie Wonder)
Encore ふわり(水沼慎一郎)

この演奏会は私の同僚であるYさんがパレットおおさきと話を取り次いでくれて実現した。ありがとうございました。そして誰よりもスペシャルサンクスなパレットおおさきのMさん。プラネタリウム解説員であり、星空演奏会の企画者でもあられる。いろいろと面倒くさいオーダーにも快く対応してくださった。会場でのリハーサル(ゲネプロ)を含め、とても楽しい体験だった。ありがとうございました。

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記念撮影
L > R:Mさん、わたくし、Yさん

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ひとりで打ち上げ
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| ライヴ | 22:29 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こちらでは、初めまして(^_^)
alfa_manbowです。
私もお邪魔させていただきましたが、とても楽しくゆったりした時間をすごせました。
音楽のことはよくわからないですが、星空と音がうまいことマッチしていて、音だけでなく全体の雰囲気が楽しめるようなひと時でした。
こういう演奏会も良いものですね。
また機会がありましたらお邪魔させていただこうと思ってます。
よろしくお願いしますm(_ _)m

| alfa_manbow | 2016/10/25 00:23 | URL | ≫ EDIT

◇alfa_manbow様
ようこそようこそ。そしてあの晩はありがとうございました。

「音楽のことはよくわからない」と思っている方にリラックスしていただくのが大きな目標だったので、ある程度はうまくいったようで嬉しいです。プラネタリウムと生演奏という組み合わせはもっとやれることが色々ありそうです。

| はっとりあきのり | 2016/10/25 23:22 | URL |

「クルマで行きます」ではお門違いな内容がありましたので、
こっち方面の話題はこの場所を使わせていただきます。
音楽/オーディオファンにとって、プロの方の使用機材は永遠の興味の対象でもあります。偶然の8月遭遇後、服部さんが音楽関係の
方と知り、大いに知的好奇心をそそられた次第です。
そうでなければ2回目のOFF会参加(乱入)は多分無かったでしょう。
システムにたいした金額はかけていませんが、私はこっち方面も1.5級くらいのヘンタイですww

| A・Sud | 2016/11/23 22:59 | URL |

◇A.Sud様
やぁやぁ。こちらへもお越しいただけるとは。コメントありがとうございます。

私の場合、単にオーディオ機器という意味ではあまり興味を持たないようにしていたのです。なんでかと言うと「沼」だからです。友人のミュージシャンで沼に大金投じた男もいて、その底なし具合を見てもいましたから(笑)。ただ私の場合音楽制作の道具としてそれなりのクオリティがないと、後で自分が恥をかくので(笑)。

きっかけはウェストレイクオーディオのスピーカーでした。スタジオのミックスダウン作業用に私の師匠が持ち込んだのですが、度肝を抜かれましたねぇ。解像度と深みが段違い。で、後日型番から値段を調べたところ、ペアで100万円だったので戦慄しましたが、この辺はオーディオマニアの方からすると「日常茶飯事」のようで…。たはは。

| はっとりあきのり | 2016/11/25 07:52 | URL |

Westlake!本チャンのスタジオモニターを聴く機会なんて一般人にはまず無いのでちょっと羨ましいです。
私見ですが、音楽ファンのオーディオとしてはシステム合計50万円以下くらいがギリギリではないかと思います。それ以上がオーディオマニア。自分はなんとか音楽ファンにとどまっていますw
とか言いながら、ケーブル関係はプロ用(高価ではない)を使っています。プロ用の効果は絶大と感じました。
ところが、普及価格帯の自分のシステムが、さらに神経質さを増してしまって((+_+))
SPセッティングとアンプの寝起き具合にテキメンに反応してしまい、特にこの時期だと1時間くらいしないとなかなか本領発揮といかなくなってしまいました。
これで音楽ファンの機器と言えるのか!?

| A・Sud | 2016/11/25 22:50 | URL |

◇A.Sud様
ちなみにWestlakeを駆動していたのはQUADのアンプでして、こいつがまた…(よだれ)。

マニアはステレオの片側に200万円とか出しますからねぇ…。

あれこれにお金がかかるのは仕方ないとしても、そもそも電源でも変わるじゃないですか。自宅のスタジオは結局お金の問題でブレーカーを共有してるんですが、インバーターなどのノイズがひどくて(当たり前)トランス咬ませたんです。これが霊験あらたかで、定位ははっきり出るし、ハイ伸びも段違いでした。いわゆる薄皮一枚はがれた感じ。エンジニアの友人と話していたのは水素電池とか安価になってくれば電池が一番だよねーということでした。

とりあえず電源を整備してあげるだけで、あれこれ弱点が見えてきますんで、それも良かったんだか悪かったんだか…。いや、この定位感はもう手放せないので良かったんですけど…。どこか良くすると次のアラが見えちゃいますよねー。

| はっとりあきのり | 2016/11/26 13:12 | URL |

やはりトランス・・・現状マイシステムに不満(音的な)はほとんど無いですが、一段上を目指すとコレかな~と考えていました。
プロの見解となれば、ただの口コミとは重みが違いますね。
結局人間は相対評価なので、この手の悩みは終わらない。ある意味煩悩との闘いだと思っていますがどうでしょう?
ちなみに、モニターシステムのケーブル類はどのような物をお使いですか?
以前プロ用ケーブル類の威力を体感(あくまで自分のシステムと部屋と好きな音楽ジャンルという限定範囲)したため、本業の方はこれ如何に?と非常に興味があります。

| A・Sud | 2016/11/26 15:57 | URL |

◇A.Sud様
トランスは、私は師匠が現場に持ち込んだものを聴いて衝撃を受け、駄々をこねて譲ってもらいました(笑)。電研精機の(おそらく)NCT-I1ってやつだと思います。電源整備されている業務スタジオで使っても効果を体感できたって話ですから(私が聴いた現場は半民生レベル)、おそらく荒れている状況に導入するほど効果は高いと思います。

モニターのケーブルは、がっかりさせて申し訳ないですが、カナレの内装レベルのものです。テンモニに仕込んだPCOCCで最後の最後に整えられる印象があるので、アンプまでは無頓着です。あ、アンプとテンモニもPCOCC材で繋いでます。

私は一応録り〜ミックスまではやりますが、マスタリングの技術は持ってないと思っているのですが(不可避的にマスタリングまでやることもありますが)、あくまで軸足は演奏者だと思っているので、必要以上にオーディオシステムを上級化することにはあまり興味が持てないというのが正直なところです。ケーブルに10万円出すなら楽器を買いたい(笑)。

ただ現状システムで普通にCDを聴いてもぜんぜんグッとこないですよ(笑)。平板な音です。だから作業できるって感じで。普段はBOSEのwave musicsystemで聴いてます。これはこれで音の善し悪しが分かって便利です(笑)。

| はっとりあきのり | 2016/11/26 20:23 | URL |

カナレと聞いてガッカリなんてしませんww十分プロユースのブランドですし、PCOCCを使ったはっとりさんのシステム方向性もほんの少し想像できたような気がします。
ちなみに私はプレーヤー~アンプ~SPはBeldenのプロ用で固めています。全然高価じゃないけどお気に入りです。
「ケーブルに10万円なら楽器を選ぶ」全く同感です!
「BOSE wave musicsystem」・・・もしかしたら、これが一番幸せなカタチかもしれないですね。
いろいろ情報ありがとうございました!!

| A・Sud | 2016/11/27 00:46 | URL |

追伸
フロントガラスの修理が無事終了したようで何よりです。
正直私はまだ複雑な感情が多少残っていますが・・・
とりあえずありがとう&お疲れ様でした。

| A・Sud | 2016/11/27 00:55 | URL |

◇A.Sud様
ベルデン!なるほど。質実剛健系ですね(笑)。wave musicsystemは、もはやEQさえついてないので、多少欲求不満になる音源も無いわけではありませんが(笑)、CD突っ込んで再生する「しかない」ので気楽です(笑)。

フロントガラス、もう、ほんと、気を使わないでください。ブログにエントリーする時も「A.Sudさんがもしかしたら必要以上に気にしちゃうかもしれんなー」と思いつつアップしたんですけど、こんなおいしいネタは書かずにいられませんでした(笑)。

| はっとりあきのり | 2016/11/27 09:50 | URL | ≫ EDIT















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