2016.10.24 Mon
パレットおおさき星空演奏会「宙(そら)のかがり火」無事終了
人生初のひとり演奏会は、やってみれば多くのものを得ることができた。自分でも笑ってしまったのだが、前半は緊張していた。指が思ったように動かない。耳はビンビンに聴こえるのだけれど…。ざっと見渡すと自分と同じくらいかもう少し上の年齢層のお客様が多い感じ。お客様にしても初めて聴く曲ばかりなのだから、お互い探り探りで(笑)。そういう空気を察したので前半はMCを多めに入れた。これがバンドでの演奏だと、自分の演奏だけでなくメンバーや客席の空気など、収集して消化しなければならない情報が多岐に渡るが、ソロの場合はあくまで自分自身の中に全てがあって、それを投げた客席とのキャッチボール次第という部分がある。やってみないとわからないものですね。
今回「カラオケ+鍵盤ハーモニカとピアノのひとり生演奏」と定めるにはそれなりに逡巡があった。自分の音楽を表現するのにもっとも適した形態は恐らくバンドなのだが、種々の事情がそれを許さない。そこで真逆のスタイルを思いついたわけだ。一度完成させて発表した音源の主要部分(メロディとか)を現在の感覚で弾き直すとどうなるのか…という純粋な作り手としての興味もあった。そもそもそれら音源はベストなメンバーでベストな演奏を収録しているわけだし。そういう思考経過があって当日を迎えたわけだが、終わってみれば与条件下ではベストな選択だったと思う。「わたくし、こういう者です」という名刺代わりのパフォーマンスになっていたはずだ。
過ぎ去ったことをあれこれ言ってもしょーがない。機材的な話をしようじゃあないか。
ひとり演奏というスタイルを決めると、カラオケ再生のための機材選定が最大の問題だった。手持ち機材で一番シンプルなのはMD再生。懐かしい。私が所有するSONY MDS-E11だと1曲再生するごとにスタンバイ状態になるモードがある。加えてワイヤードリモコンによる操作もできる。便利かつ確実なのだが、MD音質にはもう戻りたくないなぁというのが正直なところ。
チャレンジの意味も含めて、今回はMacBook Pro(Retina,15inc Mid2015)上のDSP-Quattroで再生することにした。マスタリング用アプリだが、その分音質・音量調節が容易な上、曲間時間の調整も自在だ。特に会場の音響特性によって音質を音源レベルで調整できるのは大きな利点と考えた。結局リージョンエフェクトは使用せずマスターアウトにリミッターをかけただけで、MBPのオーディオアウトから直接出力(音質云々と言う割りにはオーディオI/Fは持ち込まず)。現場では曲毎の音量差を微調整するだけで大丈夫だった。
でもそういう調整って、本気でやるなら自分が客席に座って、ある程度時間を作って腰を据えてやらないとダメですね。残念ながら今回はそういう時間はなかった。会場はそもそもプラネタリウム施設だから、音楽に適した音響装置があるわけではないけれど、それでもパレットおおさきの音響設備はデフォルトで満足いく音質ではあった(音楽用にはローが足りないくらい)。
演奏者用モニターにはキーボードアンプ、Roland KC-300を使った。これが大正解で。モニターミックスを作ればもっと良かったとは思うが、これは次回の課題にしよう。
実は今回、MBPのディスプレイが明る過ぎるというプラネタリウムならではの問題があった。ディスプレイ照度を最低にしてもまだ明るいという。そこでディスプレイに照明用フィルターをかけた。これで解決かと思われたのだが、盲点はMBPディスプレイ背面にあるりんごマークだった。演奏会の途中で挿入された「星空解説」は純粋にいつものプラネタリウムで、会場内は本当に真っ暗になる。この時りんごマークが燦然と輝いてしまい…(笑)。リハーサルでは星空解説はやらなかったもんなぁ(笑)。会場内にいたボランティアスタッフのWさんの機転によって(手で覆い隠す(笑)!)乗り切った。それでもフィルターをかぶせたディスプレイの明かりがやはり星空投影に影響を及ぼしていた。プラネタリウムって本当に繊細なのね…。このブログをお読みで、もしこれからプラネタリウムで演奏するという人はご注意である。
演奏曲目を記しておく。
01.やさしい風
02.WBG(仮)
03.やくそく
04.Et Ranger
05.Life is (not) so easy
〜星空解説〜
06.Planetarium Ballad(仮)
07.Entrust
08.大航海時代
09.Tight Rope
10.Ribbon in the sky(Stievie Wonder)
Encore ふわり(水沼慎一郎)
この演奏会は私の同僚であるYさんがパレットおおさきと話を取り次いでくれて実現した。ありがとうございました。そして誰よりもスペシャルサンクスなパレットおおさきのMさん。プラネタリウム解説員であり、星空演奏会の企画者でもあられる。いろいろと面倒くさいオーダーにも快く対応してくださった。会場でのリハーサル(ゲネプロ)を含め、とても楽しい体験だった。ありがとうございました。
| ライヴ | 22:29 | comments:11 | trackbacks:0 | TOP↑
こちらでは、初めまして(^_^)
alfa_manbowです。
私もお邪魔させていただきましたが、とても楽しくゆったりした時間をすごせました。
音楽のことはよくわからないですが、星空と音がうまいことマッチしていて、音だけでなく全体の雰囲気が楽しめるようなひと時でした。
こういう演奏会も良いものですね。
また機会がありましたらお邪魔させていただこうと思ってます。
よろしくお願いしますm(_ _)m
| alfa_manbow | 2016/10/25 00:23 | URL | ≫ EDIT