暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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直前までてんやわんやでも本番ではむしろ落ち着くという話

JEFF GOKKOのステージが無事に終了した。と、毎度ライヴ後のレポートに書いているが、何を以てして「無事」なのか。ひとつにはメンバーや観客に怪我や事故がなく終了したこと。これ、とても重要である。もうひとつには特段後悔するような演奏内容ではなかったこと。お客様には関係ないというか、そこは最低限保障しろよ!という話だが、演奏内容も含め、ステージに事故は付き物である。

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実は今回のライヴはキャンセルの危機さえあった。ベーシストのあんなさんがインフルエンザに罹患してしまい、演奏できないことが発覚したのが3日前である。急きょ参加してくれたのが小野寺覚君(驚愕の21歳)。当日初顔合わせ、初リハーサル、初本番という私のようなそれなりに経験を積んだ人間でも遠慮したくなるような状況だったが、これを見事にひっくり返し、ドラマー小枝指さんも感嘆するグルーヴ感できちっとボトムを支えてくれた。訊けば小野寺君の父上はリーダー國分さんと同い年だという…。あんなさんといい小野寺君といい、若い人と演奏するのは色々と勉強になる。

jg2017jan - 1
余談だがStudio B/2五橋G3スタジオに備え付けの
KORG SV-1は案外持ってても良いかも


JEFF GOKKO 2017.01.28.set list
at 仙台Flying Son
1.The Pump
2.Stratus
3.Led Boots
4.Cause We've Ended As Lovers(哀しみの恋人たち)
5.Highway Jam

國分秀昭(Jeff)
小枝指徹(Terry Bozzio)
小野寺覚(Bass)
服部暁典(Key)

セットリストを見て、わぁ、楽しそう!と思うミュージシャンもおられると思うが、私は逆に悩んでしまった。國分さんも小枝指さんも、基本爆音系の大家である(ドラムソロの頭でメンバーがバッキングの音量を下げたら小枝指さんから「下げなくていいから!」と怒られた)。増してジェフ・ベックの音楽で鍵盤楽器がどうしても必要だとも思われない。爆音の上に自らの居場所探し…。悩みの根源はそういうところにあった。で、私は考えた。ふつうにアプローチしても鍵盤の音は國分さんの音とぶつかるだけである。シンセの音だってどれだけヌケるかわかったもんじゃない。となれば「弾かなければ良い」「余計な音は出さない」のココロではないか。誰も音を出していないところにシンプルな音を置けば良いのではないか。

考えるまでもなく、ごく普通のアプローチである。ぎゃふん。

「ごく普通のアプローチ」どころか、本来これができなきゃミュージシャン失格という話なのだが、実際やってみると難しい。余計な音になっていないか考え考え弾く。ギターとぶつかっていたら迷わずこっちが引く、と心がけつつステージが始まったのだが、弾いてないと國分さんが「なに休んでんだ!弾け!」という態で睨むので、結局ずいぶん余計な音を出したような気がする。

ともあれ、音を出す以上はギターに負けてもいられない。生ピアノサンプルという感じでもないからS90XSのローヅサンプルにアンプシミュレーターをかけて歪ませた音で90%弾ききった。Led BootsのソロのためにJP-8000も持ち込んだが、本当にシンセソロを1箇所弾いただけ。その気になればS90XS1台でやれたな…。爆音ギターに晒されるため、キーボードアンプを持ち込み、自分のモニター音は自分で面倒を見ることにしたが、結果的にこれは大正解だった。少なくとも自分のモニター環境がしっかりしていないと、弾く/弾かないは判断できない。

前述したが、小枝指さんと小野寺君のマッチングが奇跡的に良くて、バンドのボトムグルーヴは素晴らしいものになった。打ち上げの席で聞いたのだがその小枝指さん、数日前にテリー・ボジオのライブ映像を観て「やっぱこれだよな!」と熱くなってしまい、音数も音量もかなり増量されていた。もはやああなると音がどうこう言う前に「ドラムの方からなんかすごいエネルギーが押し寄せてくる!」という感じになる(笑)。そのエネルギーに乗っけられたか、國分親分のギターはいつになく冴え渡っていた。構成も間違えなかったし(笑)。親分も一回スイッチが入るとすごいものがある

会場の仙台フライング・サンでは初めて演奏させていただいたが、ステージ上が程よくデッドでとても演奏しやすかった。またオペレーターが旧知の岩崎さんだったのも安心感につながった。終始あたたかい反応をくださったお客様にも助けられた。ありがとうございます。

親分と小枝指さんと服部は、なんと12年ぶりの演奏だった。しかしその空いた時間を意識することはまったくなかった。普通に、すんなり、やるべきことがやれた。こういうこともまた貴重である。JEFF GOKKO、またやる日がくるだろう。サイツェン!
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