2017.03.22 Wed
鍵盤ジェダイ呑み会2挙行さる!
鍵盤ジェダイ呑み2が岩手県盛岡市で開催された。そもそもこの呑み会の第1回目は、SNSの投稿とそのコメント欄での応酬がきっかけだった。阪下肇之さんの投稿でポリムーグのある機能に関してふたりで盛り上がっていたところ、東北が誇るピアニストにして作曲家にして服部の「心の師匠」、北田了一さんが「Youたち、会っちゃいなよ!」と。そもそも服部と阪下さんとは北田さんを通じてSNS上では友人ではあったものの、当時はまだ実際にお会いしたことがなかった。北田さんと阪下さんは高校時代からの仲間であるという。そんな方々と酒席を囲めるなんて得難い機会である。とるものとりあえず当時阪下さんが住まわれていた岩手県一関市で落ち合い、2015年3月に第1回目が開催された次第。呑み会のタイトル「鍵盤ジェダイ呑み」は、北田、阪下両氏が凄腕鍵盤奏者であることによる(私はパダワン、見習いである)。2017年の今回は飯島真理が1980年代に立て続けにリリースした3枚のアルバムについて、やはりSNS上で語っていたらヒートアップ!こりゃ実際に聴きながらとことん語り合おう!ということになった。ま、きっかけは同じようなものですな(笑)。
「鍵盤ジェダイ呑み会挙行さる!」

私の席からのながめ。
環境の極上っぷりが
わかろうというもの
「鍵盤ジェダイ呑み会挙行さる!」

私の席からのながめ。
環境の極上っぷりが
わかろうというもの
しかし今回はこの3人にどうしても加わって欲しい方がいた。花巻・田舎laboオーナーの高橋GONさんである。GONさんの音楽への関わり方、実践力には心底共鳴するもの也。加えて田舎laboという場を実際に展開している行動力には脱帽脱シャツ脱ソックスである。GONさんは阪下さんとは以前から知り合いだったが北田さんとは面識がないという。私は北田さんとGONさんの間に交流がないことは、岩手の音楽界の損失だと考えていた。大げさな話ではない。
そんな理由から、あまり詳細を理解していない(笑)GONさんと盛岡市内のホテルロビーで合流。阪下スタジオの場所を知っている北田さんのあと付いてテクテク歩く。この夜の盛岡、まさか雪が降るとは思わなかった(笑)。19:30頃に阪下スタジオに到着、乾杯もそこそこに「さっそく聴きますか!」で試聴がスタート。
今回の目玉は飯島真理の初期三部作「Rose」「Blanche」「Midori」をUreiとSONYの極上モニタースピーカーで聴くという贅沢企画。この1980年代前半にリリースされた三作品は、それぞれ坂本龍一、吉田美奈子、清水信之がプロデュースを担当しており、飯島真理というデビューしたてのシンガーソングライターを素材に、脂の乗りきった三者三様のプロデュースワークが堪能できるのだ。しかもバックで演奏しているのはそれら曲者プロデューサー人脈の、一筋縄ではいかない超強力スタジオミュージシャンズである。良質にならないわけがないのだ。
しかも阪下スタジオのモニター環境は素晴らしく、さんざん聴いた音源なのにも関わらず、聴いた事のない音がありありと聴こえるのだ!もう1曲始まるたびに「あーっ!これこれ!!」と口角泡を飛ばして賛辞を並べるのである。至福である(笑)。

モニター機材ではないけれど、
鍵盤奏者ならやはりうならざるを得ない品揃え
Rose
「誰かのバックに回った時に凄みを発揮する坂本龍一」の面目躍如。飯島が高校生の時に書きためた曲だけで構成されているこのファーストアルバムを、如何に商品として価値あるものにするかという職業音楽人としての、もはや凄みを感じさせる仕上げである。「BEST FRIEND」のベースが後藤次利だとは今回初めて認識した。そう言えば80年代はこのベースの音色を随分聴いたよな、と。アレンジャー坂本龍一のもうひとつの聴き所、ストリングスアレンジも超絶冴えている。
Blanche
吉田美奈子は飯島にとって憧れのスターだったが、このレコーディングでは容赦の無いヴォーカルへのダメ出しに泣かされたという。説明もなくその日のレコーディング結果をカセットテープにダビングされ、「どこが悪いか考えてらっしゃい」と宿題にされたという。コワイよ!だがRoseと比べるとヴォーカルパフォーマンスは別人のごとく進化していることははっきりわかる。極限まで要素を削ぎ落とされたアレンジと徹底してソリッドな演奏で構成されたアルバムの仕上がりは、この3枚中間違いなくベスト。清水靖晃や渡辺香津美、山木秀夫といった綺羅星のごとき面々の、「飯島真理?知ったこっちゃねー!」みたいな完全に振り切れたアプローチやプレイをUreiのモニターで大音量で聴くシアワセ。
Midori
一転して売れ筋なパッケージングの名人清水信之のひとり芸。ファーストとセカンドはリン・ミンメイ効果でそこそこ売れもしたと思うが、さすがにBlancheのマニアックな音づくりはレコード会社も危機感を持ったのだろう。どう考えても飯島の(レコード会社が描いた)キャラクター像から離れ過ぎたセカンドから、一気に売り上げを増やすための清水起用だったと思われる。そして清水のアレンジテクニックとパッケージはこの頃「ニューミュージック界」を席巻しており、「このイントロは(同じく清水が手がけた)○○のあれそっくり!」とか「この7、8小節目でスネアはいったんお休み〜」とか、あとから全体を見渡したからこそわかる清水テクニックの使い回しなどを北田さんが悉く指摘(笑)!いやー勉強になりました。
他にもその清水信之のセカンドソロアルバムや、「未来派野郎/坂本龍一」と同時期に発表され未来派大貫なテイストの「コパン/大貫妙子」や、スクリッティポリッティや、YMOの音源など、とりとめなく聴いては様々な分析を各々が披露。またこういう会話の中に4人の音楽観が発露されていて嬉しさはヒートアップするばかり。どういう嬉しさかというと「あぁ、少なくともこの人たちの前では思ったとおりのことを言っても怒られないし、理解してもらえる実感がある」という嬉しさである。しゃべりながら自分の深層心理に気付いたり、さまざまなヒントを貰うことができた。
気付けばとうにテッペン(24時)を超えており、ビールは4本以上、バーボンは1本が空き瓶になった。さすがになにがなんだかわからなくなってきたので解散。鍵盤奏者が4人も揃って、しかも貴重な鍵盤・ラック音源が多数あったにも関わらず、誰も弾かなかった(笑)。呑むのとしゃべるので忙しすぎるんだよなぁ(笑)。この4人でなにかやろう!という掛け声が実現するよう、みなさん祈っていてください(笑)。
そんな理由から、あまり詳細を理解していない(笑)GONさんと盛岡市内のホテルロビーで合流。阪下スタジオの場所を知っている北田さんのあと付いてテクテク歩く。この夜の盛岡、まさか雪が降るとは思わなかった(笑)。19:30頃に阪下スタジオに到着、乾杯もそこそこに「さっそく聴きますか!」で試聴がスタート。
今回の目玉は飯島真理の初期三部作「Rose」「Blanche」「Midori」をUreiとSONYの極上モニタースピーカーで聴くという贅沢企画。この1980年代前半にリリースされた三作品は、それぞれ坂本龍一、吉田美奈子、清水信之がプロデュースを担当しており、飯島真理というデビューしたてのシンガーソングライターを素材に、脂の乗りきった三者三様のプロデュースワークが堪能できるのだ。しかもバックで演奏しているのはそれら曲者プロデューサー人脈の、一筋縄ではいかない超強力スタジオミュージシャンズである。良質にならないわけがないのだ。
しかも阪下スタジオのモニター環境は素晴らしく、さんざん聴いた音源なのにも関わらず、聴いた事のない音がありありと聴こえるのだ!もう1曲始まるたびに「あーっ!これこれ!!」と口角泡を飛ばして賛辞を並べるのである。至福である(笑)。

モニター機材ではないけれど、
鍵盤奏者ならやはりうならざるを得ない品揃え
Rose
「誰かのバックに回った時に凄みを発揮する坂本龍一」の面目躍如。飯島が高校生の時に書きためた曲だけで構成されているこのファーストアルバムを、如何に商品として価値あるものにするかという職業音楽人としての、もはや凄みを感じさせる仕上げである。「BEST FRIEND」のベースが後藤次利だとは今回初めて認識した。そう言えば80年代はこのベースの音色を随分聴いたよな、と。アレンジャー坂本龍一のもうひとつの聴き所、ストリングスアレンジも超絶冴えている。
Blanche
吉田美奈子は飯島にとって憧れのスターだったが、このレコーディングでは容赦の無いヴォーカルへのダメ出しに泣かされたという。説明もなくその日のレコーディング結果をカセットテープにダビングされ、「どこが悪いか考えてらっしゃい」と宿題にされたという。コワイよ!だがRoseと比べるとヴォーカルパフォーマンスは別人のごとく進化していることははっきりわかる。極限まで要素を削ぎ落とされたアレンジと徹底してソリッドな演奏で構成されたアルバムの仕上がりは、この3枚中間違いなくベスト。清水靖晃や渡辺香津美、山木秀夫といった綺羅星のごとき面々の、「飯島真理?知ったこっちゃねー!」みたいな完全に振り切れたアプローチやプレイをUreiのモニターで大音量で聴くシアワセ。
一転して売れ筋なパッケージングの名人清水信之のひとり芸。ファーストとセカンドはリン・ミンメイ効果でそこそこ売れもしたと思うが、さすがにBlancheのマニアックな音づくりはレコード会社も危機感を持ったのだろう。どう考えても飯島の(レコード会社が描いた)キャラクター像から離れ過ぎたセカンドから、一気に売り上げを増やすための清水起用だったと思われる。そして清水のアレンジテクニックとパッケージはこの頃「ニューミュージック界」を席巻しており、「このイントロは(同じく清水が手がけた)○○のあれそっくり!」とか「この7、8小節目でスネアはいったんお休み〜」とか、あとから全体を見渡したからこそわかる清水テクニックの使い回しなどを北田さんが悉く指摘(笑)!いやー勉強になりました。
他にもその清水信之のセカンドソロアルバムや、「未来派野郎/坂本龍一」と同時期に発表され未来派大貫なテイストの「コパン/大貫妙子」や、スクリッティポリッティや、YMOの音源など、とりとめなく聴いては様々な分析を各々が披露。またこういう会話の中に4人の音楽観が発露されていて嬉しさはヒートアップするばかり。どういう嬉しさかというと「あぁ、少なくともこの人たちの前では思ったとおりのことを言っても怒られないし、理解してもらえる実感がある」という嬉しさである。しゃべりながら自分の深層心理に気付いたり、さまざまなヒントを貰うことができた。
気付けばとうにテッペン(24時)を超えており、ビールは4本以上、バーボンは1本が空き瓶になった。さすがになにがなんだかわからなくなってきたので解散。鍵盤奏者が4人も揃って、しかも貴重な鍵盤・ラック音源が多数あったにも関わらず、誰も弾かなかった(笑)。呑むのとしゃべるので忙しすぎるんだよなぁ(笑)。この4人でなにかやろう!という掛け声が実現するよう、みなさん祈っていてください(笑)。
北田さん、阪下さん、GONさん、本当にありがとうございました。せめて1曲きちんと仕上げてみましょう!
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