FC2ブログ

暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ピークを削れ!

先日の大門静止画画廊のために作った曲「Quiet Viewers」の本格的なMixを敢行。

唐突だが良いミックスとはどういうものか。もちろん単一の定義などでは到底無いのだが、ひとつの切り口として「安定した音量レベル」というものがある。これはDAWを含めた波形編集用アプリケーションで「見た目」で確認できる。単純に言えば不用意な演奏やEQ処理などで、ピーク(突発的に音量が大きい状態)が生まれてしまっている状態は良くないミックスである。例えばこうだ。

Mix_NG.jpg
後半びしびしピークってるのがお解りいただけよう

どうして飛び抜けたピークがあると良くないのかというと、最終的にアルバムに収録するなどの場合、異なる時間、異なる場所で録音、ミックスされた別の曲達とまとめられるわけで、その場合当然音質や音量を揃えてあげないと聴きにくいアルバムになってしまう。この揃える作業を「マスタリング」と言うのだが、音量を揃える作業とは大抵の場合大きな音量に揃えてやることであり、そのためにコンプレッサーやリミッターというイフェクターが使用される。どちらも自動的にあらかじめ設定した信号レベルに圧縮したり音量を下げる働きをするものなのだが、ヘタなピークのある音源だとどうしてもそのピークに合わせて設定せざるを得ず、十分に音量を稼げなくなってしまうし、無理に稼ぐとピークのある部分だけは「いかにもリミッター効かせてま~す」というできあがりになってしまい音楽を殺してしまうし、他のエンジニアから嘲笑の的にされることになる。

しかしでは平均化された音量のミックスこそが百点満点かと言うと決してそうではない。(特に私が指向するような)音楽にはダイナミクスが不可欠であり、どうしても音量は上下する。

今夜とても苦労したのは、EQ処理というよりは単純に打ち込みテクニックの問題であった。

ADDICTIVE DRUMS(以下AD)というプラグイン音源を愛用しているのだが、私のようなPCM音源のドラムに慣れている者は、ついついヴェロシティ値をフルに打ち込んでしまう。しかし精巧なサンプリング音源であるADは基本的に生身のドラマーが叩くとおりの音色変化を実現しており、逆にフルヴェロシティ(MIDIデータで言うところの127or128)で鳴らすのは不自然なのだ。

またこの曲そのものが「少々力の抜けたフュージョン」を目指しており、各パートもこれまた力みのない演奏を心がけた。はっきり言えばギタリストがラリー・カールトンに替わってからのFourplayのような音を目指したのだ。だからヴェロシティで言えばキックもスネアも80~96くらいがちょうど良い。しかしフィルインなどはついつい強く打ち込んでしまい、そういう場面でのスネアやタムの1ヒットが不用意なピークに繋がっていた。

なのでミックスしては波形を確認、唐突なピークが現れている場所を突き止めては各ドラムパーツのヴェロシティを修正という地味ぃ~な作業を繰り返した。できあがりは満足。

Mix_OK.jpg
スポンサーサイト



| レコーディング | 23:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://acatsukistudio.blog60.fc2.com/tb.php/24-68eb8993

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT