暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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新しいプロフィール

ギタリスト佐々木朋義君が、自身のブログでなぜか服部について語ってくれた。基本ホメ殺しな内容ではあったが、自分で書いたプロフィールとは違う切り口は貴重である。ありがとう。そのエントリーに詳細をコメントしてくれ的な一文があったのだが、結局彼のブログでのコメントには詳細を書かなかったので、こちらに書いてみたい。

○ミュートカッティングいいですね
服部のギター歴はもう結構長いのだが、その演奏内容は全く偏っており、いわゆるギタリストではない。そもそもギターやベースを弾くようになったきっかけというのは、自分の曲にギターやベースは欲しいのだが「どう弾いてもらいたいか人に説明できない」ので自分で弾かざるを得なかっただけなのだ。また弾き始めたのは高校生の頃(1984年頃)で、シンセでエレキギターや生ベースの音をシミュレイトなんて言っても、今の耳で聴けば苦笑するしかないものしかなかった。

で、どういうギターが自分の曲に欲しかったかというと、単音ミュートカッティングとギュワ~ンというディストーションギターソロであって、いわゆるバーコードでジャカジャカかき鳴らすみたいなのは「指が痛いからヤダ」という体たらく。あと単純にその頃はギターがメロディをとる音楽ばかり聴いていたというのもありますな。カシオペア、高中正義…。あとちょっとだけリー・リトナーを混ぜると当時の服部のギタースタイルになる。その後プリンスに魂を売り渡して12フレットあたりで3音だけでカッティングするのに熱中してしまい、だからもう今ではそんなのしか弾けない。バーコード弾けるようになってたらアルペジオが出来て便利だったんだけどなぁ。これだけは後悔している。え?今から練習したらいいじゃん?そうですね、はい。でもそれより鍵盤がうまくなりたいので、ギターの練習を本気でするつもりはもう無い。

○俺の頭からは出てこないギターソロ
と言ってもらえたソロも、結局そういう歪な遍歴を重ねてきたからってだけなのだ。ただなるべくキーボードらしくないフレーズになるといいな、と思ってはいる。

○Drの打ち込みすげ~かっけ~
ギターの話と同じで、カシオペアを聴き狂っているとああいうキメフレーズってのは苦も無く出てくるようになる(笑)。ね?工藤さん!だから封印していたくらいだ。「Don't miss it!」という曲は、テレビ通販のタイトル曲として作ったので、「それならアレでしょ!」とばかり開陳した次第。

高校3年間吹奏楽部でドラムばかり叩いていたこともあり、ドラムには思い入れがある方だと思っている。だからサンプラーを買ってリズムマシン以外のライブラリが増えていくのは本当に興奮したし、やっぱり生ドラムらしい打ち込みドラムを目指して細かく打ち込みはやっていた。プリンスを聴くまでは

余談にはなるがプリンスの打ち込みドラムに関しては実は相当研究した。結論。グルーヴはドラムだけで演出しない。が~ん。打ち込みの研究結果が打ち込みだけじゃダメ!とは。

これは全くの想像なのだが、1990年代後半までのプリンスってのは、とにかく溢れ出てくるアイデアを一刻も早く実音として録音してしまいたかったはずだ。嘘か真か一日一曲のペースで新曲を録音していたらしい。ま、そりゃ嘘だろ。でも三日で一曲なら服部は本気で信じる。とにかくドラムはシンプルなのである。ヘタすると四分音符と八分音符しか鳴っていないなんて曲も珍しくない。ただそのクロックが独特というか、例えば山下達郎の打ち込みのような正確無比というのでもないし、かと言って一時期PトレードマークですらあったLINNドラムのあのクロックでもない。80~90年代当時Pが使っていたのシーケンスソフトウェア(当時はDAWじゃない)はPerformer(or Digital Performer)なので、単純にMacが生成するインターナルクロックだったと思うのだが、とにかく少し粘っこくて、太い。この太いという印象には巧みなEQやコンプレッサーによる処理も相当効いていると思うが、とにかくまず、フレーズはシンプルであることが多く、しかも単純に2小節程度でループしたらあとは最初から最後までドラムはそれだけ、みたいな曲も多い。

ではどうやって独特のグルーヴが生まれているのかというと、生ベースだったりギターのカッティングだったりコーラスだったりする。そもそもPはベースリフ作りの天才である。もちろん「ありがちな」PCMサンプルによるパーカッションも重要だったりするが、シンプルで太い3点セット(スネア、キック、ハイハット)に思いっきり艶っぽい生楽器や声によるコンビネーションがプリンスグルーヴの正体だと結論付けたい。

この結論を得てから、生ドラムのシミュレーションには興味がなくなってきた。もちろん生ドラムシミュレーションが必要な曲というのも存在はする。しかし、生ドラムを録音できる知識と環境が自分にはある。そしてなによりも自分の周囲には素晴らしいドラマーが何人もいる。本当に生ドラムが必要ならシミュレーションじゃなくて、彼らに頼んで叩いてもらえば良いではないか。

さらに言えることは、シミュレーションはあくまで自己完結できるがドラマー(というか自分以外のミュージシャン)に頼むということは第三者の批評と意見に晒されるという意味でもある。「オレに叩いてくれって頼むのはこの程度の曲なの?」と言われるのは死ぬほどイヤだ。なので自然と自作を吟味するという副次的な効能もある。リズムマシン、サンプラー、プラグインドラム音源など、80年代当時の自分だったら三日くらい完徹して嬉々として打ち込み作業を続けるであろう現在の環境は、結局今の自分にはオーバースペック、あるいはもういらん的なものすらあるという事態に。フクザツ。

○ピアニストじゃなくキーボーディスト
最近は大門のヴォーカルというイメージが浸透しつつあるので、これはちゃんと書いておきたい(笑)。基本的には専門職に憧れる。シンセは弾けないけどピアノは誰にも負けない、みたいな。でもこういうと(自分から見ると)専門職のように思っている方々から「そうじゃない。色々弾けた方がいい」みたいなお返事を聞くことがある。なんだかよくわからねぇなぁ。ま、良い演奏、人に何かを渡せる演奏ができればそれでいいんですけど。ピアノバカとかオルガンバカってかっこいいとは思う(笑)。「あ、あの人絶対シンセ弾かないよ」とか。服部はシンセバカ(になりたいの)かなぁ。

今年は人前で演奏する機会を増やしたいです。あと自分のアルバムを作りたいです。アイデアはあるんだ。あとはコアになる一曲ができればすぐにでも録音できるんだが…。
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| 音楽雑感 | 23:22 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

>カシオペアを聴き狂っているとああいうキメフレーズってのは苦も無く出てくるようになる(笑)。ね?工藤さん!

★ご指名で呼びかけられてますんで、反応!
 →もうねぇ~~~(^^;)
  当時は常時脳内はDrmのキメキメで生きてましたね。
  先日のKeyUniでは封印しきれなくて、全快しましたけど・・。
  ある意味スッキリしたっす。
  でもねぇ~~、そんなんばっか考えててもオーディエンスには
  受けないんだよなぁ~~~ってある日気が付いた。
  たまに封印解くのはストレス解消にはいいですけどね・・(^^;)

| cha | 2010/03/12 01:14 | URL | ≫ EDIT

◇cha様
>そんなんばっか考えててもオーディエンスには受けないんだよなぁ~~~っ

流石工藤さん、この部分、非常に大事ですね。オレの音楽に対する基準でレスすると、結局そういうキメだとか超絶技巧フレーズってのは、音楽の本質と関係ないんじゃないか、と。そりゃあオレたちは楽しいですよ、誰かのオリジナルを客席で聴いてて、バシャバシャバシャッ!というキメだのフレーズが出てきたら。大うけ。でも大前提として「良い曲」じゃないとねぇ。

で、この良い曲っていう定義が曖昧模糊としているわけで。もちろん中にはキメだらけで難解フレーズの連続が良い曲と定義する人もいるでしょうし。いねえか。

オレ的には良いメロディ、玄妙なハーモニー、流麗なリズムという三つが揃ってないとヤなんです。キメだの難解フレーズはその後の話。逆に言うとその三つが揃っていれば、例え初めて聴く誰かのオリジナルに心を動かされるということはあると思うのです。つまりオーディエンス受けは良いはず。

自作"Don't miss it!"のイントロのキメは単なる記号。カシオペアみたいな曲ですよ~、と名刺を差し出しているわけです。

| はっとり | 2010/03/12 09:04 | URL |

良いこと言うなあ~!

まさにその通りですね。当の本人たちもキメに関しては曲中のアクセント、クッションがわりという認識をしているようです。

正直歳をとってくるとキメがきつくなるんですね。色んな意味で…
その前に大音量が体に堪えてきます。

聞きまくってた方だけど自分でやると無理やり感で嫌になるので避けてました。

| richard | 2010/03/12 13:46 | URL |

◇richard様
無理やり感、ありますね~。「キメのある曲を作らなきゃ!」って感じですよね(笑)。やれないって言うのはイヤだから作ることはあるけど。

>当の本人たちもキメに関しては曲中のアクセント、クッションがわりという認識

あ、周囲がそこだけ切り取ってそのイメージが一人歩きしてる感もありますね。

実を言うとオレもライヴでキメ連続とかって正直勘弁してくれと思いますが、そんな贅沢言ってられないので、一生懸命演奏させていただきます!

| はっとり | 2010/03/12 17:28 | URL |















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