暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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他人様のミックス現場に立ち会い

小学生の頃から多重録音に親しみ、その後カセットMTR、a-dat、DAWと機材的進化を遂げた自分のような経歴を持つ者にとって、自分の曲のミックスダウンを誰かにやってもらい、それに立ち会うという機会はほぼ無いと言っても過言ではない(意識的に人に頼む場合は別。そういう方もおられるかもしれない)。

先日終演を迎えたTheatreGroup OCT/PASS「ノーチラス」の劇中歌はカラオケの状態が最終形態である。舞台で役者陣が歌うことが前提だからだ。その公演で音響を務めたKIWI SOUND WORKSの高柳あゆ子氏が、公演中の歌を録音しておいてくれた。それを利用してサウンドトラック(いわゆるサントラ盤ね)を作りたいと言い出した。そういう形で完結するとは思ってもみなかったので、一も二もなく賛成した。実は私もそれは考えていたのだが、公演前や公演期間中に役者たちに余計な負荷を掛けられないし、公演終了後に役に戻ってもう一回歌ってくれというのもどうかと思って遠慮した。

実際にどうやって役者の声を録音したかと言うと、劇中歌の時だけ生かすマイクがあったのである。やはりカラオケと生声というのは馴染みが悪く、うっすらとでもリヴァーブなどはかけたいし、という判断であったと思われる。ともあれそういうマイクがあったので、それを録音しておいたというわけだ。そのヴォーカルトラックとカラオケをミックスしてサントラを作るわけだが、作業はあゆ子さんにお任せすることにした。カラオケを仕上げた段階で自分としては音楽は完結しているというモチベーション的な影響もあるが、なんと言ってもやはりここは現場の音響を司ったあゆ子さんに敬意を表するべきである。

ここに於いて、服部が自分の作品の二次使用に関する新たなミックスダウン現場に立ち会うという図式ができあがったのである。作業はKIWI SOUND WORKSのスタジオにて9月7日夜に行われた。

こういう現場が楽しくないわけがない。なんと言っても私は悪戦苦闘するあゆ子さんの後ろに座って「う~ん、いいね!」とか「あぁ~、それはちょっとなぁ」とか言っていればいいのだから。反対にあゆ子さんはプレッシャーに感じていたようだ。そりゃそうだ。ともあれ自分以外の人の作業は些細なことでも勉強になる。音響エンジニアって特にこういう「吸収」の機会が少ない職種であることだなぁ。

しかしこの作業、パッと聞きで想像するほど楽な作業ではない。すでに完成された2ミックスと舞台上をライヴ収録した声を混ぜるのは並大抵のことではない。あゆ子さん、かなりがんばった。服部が途中であれこれ注文を出すので四苦八苦しておられた。約4時間かけてようやく1曲完成。あと6曲。さらにマスタリングもある。こりゃ道は遠い…。
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