2010.10.09 Sat
究極のヤマハシンセはすでに過剰?
少し前の話だが、YAMAHAミュージック東北仙台店のLM楽器売り場に行ったところ、Motif XF7が展示してあった。おお!これが!ということで試奏してみた。丁度店舗のLM担当チーフSさんにも話を伺うことができたので、合わせて第一印象をまとめてみようと思う。
まず鍵盤。当然のことながら弾きやすい。進化しきった感がある(伸び代がもう無い)とも言えるが、しかし電子鍵盤楽器としては極上。
音色。同社のS90XSを所有する身としては、音色リストにはお馴染のプログラムが並ぶ。良くも悪くもヤマハ。ただし!DAコンバータはS90XSよりも良いものを使っているという。この辺は日進月歩のジャンルでもあるし、仕方ない側面はあるが率直に言ってうらやましい。グランドピアノS6をサンプリングしたプログラムなどは、なるべく繊細な部分まで鳴らしてあげる方が当然ピアノそのもののキャラがわかりやすいし、他社のサンプリングネタがベーゼンドルファーやスタインウェイであることを考慮すると、わざわざヤマハのグランドピアノをサンプリングして鳴らすという「ヤマハらしさ」が際立つことになると思うからである。
ユーザーインターフェイス。液晶がカラー化して視覚的に豪華。ヤマハシンセ特有のデータエントリー方法やパラメータの移動方法などは慣れていればなんてことないのだろうが、慣れていない自分にはいつも戸惑う部分で、イラっとする。きっとENTERキーとYESキーという、シンセに肯定の意思を伝えるキーがふたつあることが原因ではないかと思う。フェーダーが少々安っぽく感じる。これは単純にフェーダーの凸凹加工をもっと繊細にすることと、もう少しだけテンションを重めに設定することで改善されると思う。要はさわり心地が荒く、動きが軽すぎるのだ。DAWコントロールのカギにもなるSEQ TRANSPOTキーは最高。キーの大きさと言いストロークといい、これくらい大げさに設定してくれた方が良い。もっともMotif XF(S90XS含む)のスイッチ系の操作感はとても良い。
XF7を持ち上げてみると、思ったよりも軽い。普段S90XSを持ち歩いているからだろうか。カタログ上では17.2kg。決して軽くはないのだが、サイドパネルは持ち手となる形状にしてあるので力をかけやすいのかもしれない。これも重要なポイントだと思う。
今回ごく短い試奏時間でとても驚いたネガティブな要素がある。モードの切り替えである。ヴォイスモードからマスターモードなどへの切り替えに恐ろしく時間がかかる。冗談抜きで1秒くらいかかっているんじゃないか。キーの接触不良かと思ったくらいである。ステージ上ではまず問題にはならないと思うので、ここはヤマハも無視したのだろう。私も驚いたというだけで、これが原因で購入予定リストから外すようなことは無い。
Sさんに「今回の売りはなんですか?」と伺ってみたら、「最大2GBのフラッシュメモリの搭載」だという。つまりMotifをハードウェアサンプラーとしても使えるということになる。だからソフトウェアサンプラーの元サンプルを引っ張ってきてMotifでエディットすることも可能になる。そのPCとの連携も(オプションながら)IEEE1394を搭載できるので、デジタルドメインでDAWと連携できるだけでなく、オーディオインターフェイスとして使用することすら可能だと言う。
それからSさん、筐体の色についても気にしていらした。先代まではシルバーにブルーのストライプという「ステージで判別しやすい」色だったが、今回はよくあるブラックである。「黒、どうなんでしょう」と聞かれたので「やっぱ少し残念かも。目立った方がいいですよね」と答えたが…。これについては意見の分かれるところであろう。この話をしながら往年のAKAIの機材(真っ白)やClaviaの一連の筐体(真っ赤)のことを考えた。例えばAKAIのサンプラーはそびえ立つラックの中で一目で解るし、nordleadの魅力のひとつはあの赤いボディーだと自分は思う。シルバーが最良かどうかはともかく、Motifの立ち位置を考えれば木製のサイドパネルをつけても良いと思う。S90XSとの差別化ができないのか?パネルはつや消し黒などどうだろうか。イタリアあたりだとクルマの塗装に流行っているらしい。
総じて述べるなら、Motif XFは完成形と思われた先代をさらにリファインした究極のヤマハシンセになっていると思う。個人的に欲しいかどうかと問われれば必要ないと答えざるを得ないが。なぜなら鍵盤とDAを除くあらゆる機能が、個人的には過剰に思えるからだ。プログラム数や1曲丸々完成させられるだけのシーケンサー機能のことを考えると、近所のスーパーマーケットに買い物に行くのにメルセデスベンツSクラスで行くような感覚を覚える。
まず鍵盤。当然のことながら弾きやすい。進化しきった感がある(伸び代がもう無い)とも言えるが、しかし電子鍵盤楽器としては極上。
音色。同社のS90XSを所有する身としては、音色リストにはお馴染のプログラムが並ぶ。良くも悪くもヤマハ。ただし!DAコンバータはS90XSよりも良いものを使っているという。この辺は日進月歩のジャンルでもあるし、仕方ない側面はあるが率直に言ってうらやましい。グランドピアノS6をサンプリングしたプログラムなどは、なるべく繊細な部分まで鳴らしてあげる方が当然ピアノそのもののキャラがわかりやすいし、他社のサンプリングネタがベーゼンドルファーやスタインウェイであることを考慮すると、わざわざヤマハのグランドピアノをサンプリングして鳴らすという「ヤマハらしさ」が際立つことになると思うからである。
ユーザーインターフェイス。液晶がカラー化して視覚的に豪華。ヤマハシンセ特有のデータエントリー方法やパラメータの移動方法などは慣れていればなんてことないのだろうが、慣れていない自分にはいつも戸惑う部分で、イラっとする。きっとENTERキーとYESキーという、シンセに肯定の意思を伝えるキーがふたつあることが原因ではないかと思う。フェーダーが少々安っぽく感じる。これは単純にフェーダーの凸凹加工をもっと繊細にすることと、もう少しだけテンションを重めに設定することで改善されると思う。要はさわり心地が荒く、動きが軽すぎるのだ。DAWコントロールのカギにもなるSEQ TRANSPOTキーは最高。キーの大きさと言いストロークといい、これくらい大げさに設定してくれた方が良い。もっともMotif XF(S90XS含む)のスイッチ系の操作感はとても良い。
XF7を持ち上げてみると、思ったよりも軽い。普段S90XSを持ち歩いているからだろうか。カタログ上では17.2kg。決して軽くはないのだが、サイドパネルは持ち手となる形状にしてあるので力をかけやすいのかもしれない。これも重要なポイントだと思う。
今回ごく短い試奏時間でとても驚いたネガティブな要素がある。モードの切り替えである。ヴォイスモードからマスターモードなどへの切り替えに恐ろしく時間がかかる。冗談抜きで1秒くらいかかっているんじゃないか。キーの接触不良かと思ったくらいである。ステージ上ではまず問題にはならないと思うので、ここはヤマハも無視したのだろう。私も驚いたというだけで、これが原因で購入予定リストから外すようなことは無い。
Sさんに「今回の売りはなんですか?」と伺ってみたら、「最大2GBのフラッシュメモリの搭載」だという。つまりMotifをハードウェアサンプラーとしても使えるということになる。だからソフトウェアサンプラーの元サンプルを引っ張ってきてMotifでエディットすることも可能になる。そのPCとの連携も(オプションながら)IEEE1394を搭載できるので、デジタルドメインでDAWと連携できるだけでなく、オーディオインターフェイスとして使用することすら可能だと言う。
それからSさん、筐体の色についても気にしていらした。先代まではシルバーにブルーのストライプという「ステージで判別しやすい」色だったが、今回はよくあるブラックである。「黒、どうなんでしょう」と聞かれたので「やっぱ少し残念かも。目立った方がいいですよね」と答えたが…。これについては意見の分かれるところであろう。この話をしながら往年のAKAIの機材(真っ白)やClaviaの一連の筐体(真っ赤)のことを考えた。例えばAKAIのサンプラーはそびえ立つラックの中で一目で解るし、nordleadの魅力のひとつはあの赤いボディーだと自分は思う。シルバーが最良かどうかはともかく、Motifの立ち位置を考えれば木製のサイドパネルをつけても良いと思う。S90XSとの差別化ができないのか?パネルはつや消し黒などどうだろうか。イタリアあたりだとクルマの塗装に流行っているらしい。
総じて述べるなら、Motif XFは完成形と思われた先代をさらにリファインした究極のヤマハシンセになっていると思う。個人的に欲しいかどうかと問われれば必要ないと答えざるを得ないが。なぜなら鍵盤とDAを除くあらゆる機能が、個人的には過剰に思えるからだ。プログラム数や1曲丸々完成させられるだけのシーケンサー機能のことを考えると、近所のスーパーマーケットに買い物に行くのにメルセデスベンツSクラスで行くような感覚を覚える。
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