暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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not ビシャビシャ

FourStepsのミックス。次の曲(曲名とか詳細を明らかにするのも憚られるのでこんな書き方。申し訳ない)。4ビート基調のスインギーな曲。空間処理が難しい。

今回のミックスにあたり、前提として「服部解釈で好きにやってくれ」とは言われたが、大きくふたつの方向性に振ることが可能だと思った。ひとつは70年代風の乾いたオンマイクな感じの音。もうひとつは80~90年代系のウェットな感じの音。前者はハービー・ハンコックやチック・コリアがローヅをバリバリ弾いていた頃のあの感じだし、後者はGRPレーベルのジョー・サンプルとかリー・リトナーな感じだ。リーダー太郎君と電話でディスカッションして確認した際には「どちらかというと70年代っぽい感じ」という解答をもらった。なので最初はそれを目指したのだが。

また以前のエントリーに書いたことに戻るが、やはり録音する時にはミックスの方向性が見えていた方が良い。初めから仕上がりをイメージした音で収録できるからである。ミックスでどうにでもできると思っている人が多いと思うが、実際には録音された音にどうしても影響される。極端な話、ルームリヴァーブが豊富なスタジオで、部屋鳴りをビシャビシャに録音したソースでオンマイクのデッドな仕上がりにするには無理がある。それならそういうスタジオを選んでそういうマイクをそういう位置に置く必要があるのだ。今回はそういう段取りが成されていないので、ファイルをアレンジメントウィンドウに展開してフェーダーを上げてみて、そうして聞こえる音からミックスのプランを練るしかない。今回はデッドでもなければオフでもない中庸な音だったので、確かにデッド/ウェットのどちらにも降ることは可能だったのだが、ドラムのトップにけっこう粗めのルームリヴァーブが混じっているのでどちらかと言うとウェット傾向で進めている。

ではウェット方向のミックスはどうなのかというと、これもまた難しい。例えばサックスには衝動的にディレイをかけたくなるが、FourStepsのようなタイトなアレンジとアンサンブルだとディレイ成分が浮いてしまう。それが良い場合もあるにはあるが、大抵「あ、ディレイかけてるんですね」と目立ってしまうことになる。ディレイをかけつつディレイサウンドは埋没させるとか、ルームリヴァーブだけかと思ったらうっすらロングリヴァーブもかかってた、みたいな処理にしたいのだ。もちろんビシャビシャにはしたくない。でも適度に前後感と言うか距離感のようなものは演出したい。難しい。

今夜先行して仕上がっている2曲をリーダー太郎君がチェックに訪れた。結果は合格。少々手直しはあるが、基本的にはOKをいただいた。よかった。
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COMMENT

めぐみです

おばんでがす。何のソフトを使っているんですか?
v-17

| めぐみ | 2010/11/02 19:52 | URL |

◇めぐみ様
もしや、あのめぐみさん?

今回のプロジェクトは録りはProTools、ミックスはLogicPro7です。

| はっとり | 2010/11/02 23:10 | URL |

そう!めぐみです

私はcubase5しか持っていないんですが、
色々教えてください!!

| めぐみ | 2010/11/06 11:24 | URL |

◇めぐみ様
Cubase 5とはまた…。CubaseVST5.Xですよね?もちろん色々できますが、
そろそろOSやハードウェアも含めてアップデートをお考えになった方が
良いかもしれないです。

| はっとり | 2010/11/07 23:04 | URL |















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