暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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マルチレイヤリング

武田こうじさんと中里広太君のデュオによるポエトリーリーディングライヴにダンサー千葉瑠依子さんといっしょにゲスト出演。ピアノとシンセサイザー(Roland JP-8000)を弾いてきた。1月21日センダイコーヒーにて。

おふたりはすでに1年以上こういう活動を続けてこられているので、つまりでき上がっている状態にどう溶け込むかという話である。あるいは乗っかるのか。リハーサルを2回行ったが、リハーサル毎に感触は変わり良い意味でよくわからない状態で本番が始まった。

自分の立場から言うと、演奏を左右する要素は大きく言って3つある。ひとつは広太君の出す音。それから丁度自分のほぼ目の前で繰り出される瑠依子さんのダンス。このふたつからはかなりインプットがあった。広太君の出す音(アンビエントな要素が多い)が前提になったり、あるいはインタープレイのきっかけになったりする。そのやりとりをしながら瑠依子さんの動き・反応がリアルタイムで変わっていくので、やっぱりこれも意識せざるを得ない。

そして3つ目の要素はもちろん武田さんの紡ぐ言葉である。武田さんの詩は当然このライヴのモチベーションなのだが、同時に演奏者にとってクリックであり、アンカーでもある。ところが、では流れる言葉に寄り添えば良いのかと言えばさにあらず。リハーサルで明らかになったのは、つまりちょっとずつ色んなベクトルを向いていて、多層的な構造になることである。いや、オレはそう思ったのね。他の3人がどう思ったかはともかく。異なる解釈や価値観が同居することが大事なのではないか。そう思ったので確認しなかった(笑)。そう思い定めたら自分のやるべきことも段々フォーカスが合ってくる。

ピアノはともかく(オレ、ピアニストじゃねぇし)、JP-8000のこういう現場での可能性について書く。前述の通り広太君の出す音はあからさまにブレイクビートではないし、リフでもない。一言で言うなら環境音なのだが…。つまり空気感を演出する音が多い。そこに乗せる音なのでやはりSE系の音になる。具体的に言えばプリセットのユーザーバンクBの80番台のプログラム(笑)。自分では良く馴染んでいたと思う。よくヴァーチャルアナログシンセのジャンル内で、JP-8000は見掛け倒しのダメシンセと語られることが多いが(オレの周りの人だけ?)、ここにNordLeadやVirus持ってこられても困るな、と思った。そういう意味ではJP-8000のキャラはこういう演奏に合っている。

センダイコーヒーのピアノはカワイのアップライトで、長らく手入れされていなかったらしい。なるほど。右手の少し高い音域の鍵盤は何だかさっぱり鳴ってくれなかった(笑)。ちゃんとした人が弾き込んであげれば修正される可能性は高い。お客様は40名を超え、文字通り立錐の余地無しという感じであった。お客様の中には演奏家としての服部をご存知無い方も多く、そういう意味でも知っていただけて良かった。どうもありがとうございました。

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