暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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Keyboardist Union@仙台 Vol.7 Live 無事終了

Keyboardist Union@仙台 Live Vol.7、無事に終了した。今回は普段のKeyUniと比べると異色の演奏をする人が多かったし、ホストとしての橋元・服部の関わり方も工夫をしてみた回だった。

Keyuni7_6.jpg

菅原琢(B JazzAffair) with 石川隆(Vln.)
菅原君と服部のご縁というのはすでに古くて、もう10年くらい前になるのではないだろうか。ベーシスト佐藤哲が紹介してくれた。あれは南町通りのイベントスペースでやっていたブラジル方面のイベントだったなぁ(すでに"方面"とかよくわからない(笑))。当時彼はシャバダバ・エレクトロというバンドで鍵盤を弾いていて、そのメンバーは彼の他にドラマー秋保太郎、ヴォーカル菅田かおりがいた(何しろ彼女は当時シャバダバかおりというステージネームだった)。つまり現在の仙台音楽シーンに於いて重要人物が多数含まれているバンドで、司令塔のような立場に彼はいた。

本人は自分のことを「絶滅危惧種」と謙遜していたが、ピアソラからクインシー(というかトゥーツ?)までまな板に乗せる選曲センスは「この人わかってる!」感むんむんであった。機材的にもYAMAHA Pf80という、こっちは本来の意味で絶滅危惧種(笑)をマスター鍵盤に、MacBook Pro上のLogic9をホストに、ソフトウェアピアノ音源PianoTecをMOTU 828MK2から出力していた。今どきっぽいと言えば言える。個人的には電源の質などが気になって「大丈夫なの?」と聞いてみたが「このセッティングで本番やるのは初めてだからやってみないとわからない」という数学専門家とは思えぬ行き当たりばったりテイストで難なく本番を終えていた。また相棒たる石川君のヴァイオリンも見事。今回は巻き込まれたらしいが、本番を終えて楽屋に戻ったらボララス君につかまり、トリのセッションフレンズに無理やり出演させられていた。楽屋で譜面渡されて(裏紙に線を弾いて書いた小汚い楽譜(大笑))ステージに拉致されていった。流石。

斎藤惠(MeguMusic Band)
オファー3回目にしてようやく斎藤惠君の出演が実現。彼はエレクトーン奏者として、あるいは後進の指導者として多忙なのだ。自作曲を演奏するトリオというのは本当にかっこいい。共演の村井麻美さん(Bs)もみうじ君(Dr)も実に音楽的なインプットだった。自分の曲をメンバーに提示してあんな風に演奏してくれたらそりゃうれしいだろう。以前このバンドを見た時、恐れ多くもこのブログのエントリーに「音楽にダイナミクスをつければもっと良くなるのに」などと書いたら、彼はしっかりそれを読んでくれていて今回の演奏ではそれを意識してアンサンブルを組んだと言う。先輩ヅラしてこんなこと言うのはあまり良くないと思うが、でも(だからと言うわけではないが)演奏は本当に良かった。彼のオーガニックでスケール感のある曲の数々は、打たれ強い(色々な解釈に耐えられる)ものだと思う。ギターが入ってもきっと楽しいだろう。音色を切り替えることによってアレンジを展開する傾向が強いのはエレクトーン奏者ならではの感性だと思うが、逆にピアノの音色ひとつだけで1曲全部弾き切っても新しい解釈が生まれると思った。音楽に限った話ではないが、何でもできることが最善では無いのだ。制限から生まれる音楽もあると思う。むしろその方が何かが生まれる可能性が高いとも思う。あれだけのドラマーとベーシストが後ろにいてくれるのだから、その可能性はかなり大きいと思った。村井麻美さんとみうじ君も自分にとってはニュースだった。

太田ひろみ(リコリス Feat.RIE)
太田ひろみさんの演奏スタイルは、仙台のポピュラー鍵盤奏者界では実はかなり希有なものだ。そのスタイルを一言で言うと「過不足無し」ということになろうか。軽音楽における「熱演」というのは、実は様々な要素が過剰になっていることが多い。フレーズにおける音数だったり抑揚だったり、他の楽器との関係に於ける重なり方だったり。だから実はほとんどの鍵盤奏者(に限らない)が「過剰」に演奏できるほど「ウマイ」奏者だと思って精進しているという見方はあながち間違いではないと思う。それは料理に例えればケチャップやマヨネーズを多用した味のようなもので、一口でその味を認識できるし、好きか嫌いかも判断しやすい。そういう料理の代表としてファミリーレストランのハンバーグやグラタンなんかを挙げてみるが、それらの中に非常に繊細に出汁をとった豆腐の吸い物が混じっていたらどうだろう。「あの、これ、味、しないっすよ」と言ってしまうかもしれない。しかし朝も昼も食事を抜いている夕方に、瀟洒な日本家屋の離れの座敷でそういう吸い物を供されたらどうだろう。全身全霊でその吸い物を味わい出汁の種類から豆腐の豆の味まで判断してしまうのではないだろうか。

太田さんのプレイは、そういう吸い物を思い出させる。アクの強いメンバーばかりのバンドの中では目立たないかもしれない。しかし優秀なメンバーが注意深く音を構築するバンドでならどうだろう。例えば彼女が所属するバンドFourstepsだ。あのバンドの演奏を初めて聴いた時、手前勝手な感想ながら「あ、このバンドでオレはプレイできない」と瞬時にわかった。過不足無く弾き、過剰な要素を排すると言うことはかなり難しい。今回のライヴでの太田さんはヴァイオリンとnordpianoというシンプルな組み合わせ。だが彼女の薄味だがしっかりと奥行きのあるプレイは例え音の数が少なくても豊かな音楽を組み立てることは可能であることを、演奏することで納得させていた。この演奏は楽屋でも話題になっていて、「こういうのはホント難しい。すごいよね」と皆嘆息していた。彼女にそれを言うと「いやいやいやいやいやいやいやいや」と謙遜するのだが。

ボララス(セッションフレンズ with なっつん)
ボララス君とのご縁もそろそろ長い。大学在学中の彼が率いるバンドのレコーディング現場で初めて会ったのだった。その後数年が過ぎennの星君から「良い鍵盤奏者がいるんですよ」とKeyUniへの招聘を薦められて再会したのだった。左様、彼は以前にも出演してくれている。前回はローズステージピアノで弾き語りというスタイルだった。その演奏はかの榊原光裕さんも絶賛したのだが、今回はバンドである。

ドラム、ベース、ギター、ピアノ、ヴォーカルという非常にオーソドックスなバンドなのに、ボララス君が鍵盤を弾いていると一味違う。アンサンブルに於けるハーモニーもリズムも、ずいぶん鍵盤に引き寄せられている印象がある。曲によっては彼も歌う。彼のヴォーカルも前述の通り味のあるものだ。ヴォーカルだけでなく鍵盤の演奏そのものも、実は太田さんのプレイに通じる印象があって、過剰なることを良しとしない意志を感じる。しかし彼の場合はアンサンブルを引っ張っていく、あるいは重要な裁量を担っている感がある。必要な音だけを必要な時に出すことに歓びを見出す奏者なのではないだろうか。丁度Steely Danを思い出した。

さてステージで演奏する出演者は以上の4名、4ユニットであった。前回までに比べて1名少ない。もちろんこれには理由があって、終演が非常に遅い時間になっていることを解消したかったからだ。何度も書いているとおり、Keyboardist Union@仙台は単なる対バンイベントではなく、「こんなにバラエティ豊かな鍵盤奏者が仙台には大勢いますよ」ということをミュージシャンにもオーディエンスにも訴えたいと思っている。だからお目当ての奏者だけでなくイベント全体を味わって欲しいのだ。となるとどんなに良い演奏をしていても、19時に開演し終演が23時過ぎという「4時間コース」ではお客様に集中して味わってもらうことは難しいかもしれない。そこで出演枠をひとつ減らしてみた。

そしてもうひとつの改革。首謀者である橋元成朋と服部が出演することを止めてみた。こうすることで従来どおり4名の鍵盤奏者を紹介することができる。とは言うものの、MCだけでは首謀者としてはサミシイ。そこでこれまでバンド転換時に行っていたMCの時間を有効活用してみることにした。具体的にはステージ下手袖に平台1枚で別ステージを作り、そこに最小限の機材で演奏したりMCをしたりすることにしてみた。

Keyuni7_5.jpg

結果としてこのプランは非常に良かったと思う。演奏は橋元1曲、服部1曲、橋元・服部で1曲の計3曲。あとはMC。機材転換は繁忙を極めるので、ステージ上にいる人は少なければ少ないほどスタッフは動きやすい。そういう意味でも良かったのではないだろうか。服部は以前作ったカラオケを使って自作曲Best Regardsという曲を演奏した。MDでカラオケを出し鍵盤ハーモニカで吹く。ま、手堅いっちゃ手堅いが、あくまでも休憩中のBGMという位置づけなので、あっさりしている方が良いのだ。橋元さんの演奏を客席で見ていたが、ドリンクをお代りする人、今見たバンドの感想を話し合う人、客席はぐっとリラックスしているように見えた。転換時のBGMが生演奏なんて贅沢な気がするが、この無駄に豪華なクオリティもイベントの味ではなかろうか。

Keyuni7_3.jpg
服部の機材。Roland JP-8000とその上に置いたKORG ER-1。それにHOHNER Melodica36。MDプレイヤーも持ち込み

Keyuni7_2.jpg
こちらは橋元さんの機材。Roland FantomとKORG ChaosPadがふたつ。あとオケ出し用のApple MacBook。ミキサーも。

Keyuni7_1.jpg
これも橋元さんが手配してくれた機材。ふたりの出力をまとめるミキサー。下にあるのはMDプレイヤー。ミキサー手前の四角い機材は珍しいファンタム電源のサプライ。2ch分。鍵盤ハーモニカに付けたaudio-technicaのピックアップマイク用に使用。初めて見た。SONY製

ステージから見ている分には最初から最後まで見てくださっていたお客様が実に多かった。ドガ~ンと大音量を出すユニットが少なかったので、比較的お客様の反応は静かな感じ(集中して聴いてくださっている感じ)ではあったが、最後のセッションでは歓声と大きな拍手をいただくことができた。そうその最後のセッション、こういうメンツが揃ったので思い切ってチック・コリアの「スペイン」をやってみた。セッションフレンズのドラマー谷地さんがサポートしてくださって鍵盤奏者6人で弾きまくった。リハーサルでは皆非常に省エネルギーな演奏をしていた面々だが、いざ本番となると全員が6割り増しの音数とパッションであった。みなさん流石です。だからこその客席の反応だったと思う。

session.jpg
これはリハーサル時の画像

楽屋でのおしゃべりも最高に楽しい。お互いの演奏について忌憚なく意見交換できるのもKeyUniの醍醐味だ。思えばKeyUniに出演してくれている人たちは皆気持ち良い人たちばかりだ。誰とでも楽しく会話することができる。それでいてただ弾くだけでなく、自分に無いものは吸収しようという貪欲さも見え隠れする。同時に自分にしか無いものも確認できる。かつてKeyUniに出演してくれた鍵盤奏者は、その後のKeyUniには招待客として遊びにきてもらっている。今回も工藤孝信、水沼慎一郎、山本聡美、せりかが遊びにきてくれた。これも嬉しいことだ。差し入れをくださった方々、ありがとうございました。

Livehouse ennのスタッフの皆さんにも感謝である。機材の数が多いからねぇ(笑)。回線の数にしても半端ねっす。その上当日あれこれ思いつきでアイデアを足していくのをサクサク捌いてくれる。

来てくださったお客様に感謝。そしてこのイベントの制作を引き受けてくれているennの星君に大感謝。ありがとうございました。次回夏のKeyUniは7月29日(金)に決定!

Keyuni7_7.jpg
打ち上げにて。L-Rで太田ひろみ、せりか、橋元、服部、ボララス、菅原琢。残念ながら斎藤惠は欠席

※2011.01.31.追記 菅原琢君、佐藤哲君、菅田かおりさんのウェブサイトへのリンクを追加。またKeyboardist Union@仙台 Live Vol.7について書かれた菅原君のブログエントリーはこちら。ちゃんもつさんの画像満載のブログエントリーはこちら

※2011.02.03.追記 斎藤惠君のブログでも触れられてました。見逃し失礼。こちらです。
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| Keyboardist Union@仙台 | 00:35 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

楽しかったです~!!

ありがとうございました~!!
まさか、自分がKeyUniに出演できるとは思ってもみませんでした~!!このような素晴らしい機会を与えて下さって本当にありがとうございます!!
また、たくさんコメントいただき、ありがとうございます!これからも精進して参ります~。
KeyUniは本当に素晴らしいイベントです~!!これからも観客として楽しみにしています!!
皆様、お疲れさまでした!!

| おーた | 2011/01/31 11:45 | URL |

◇おーた様
太田さんは仙台鍵盤奏者界の貴重な財産ですから!

ところでメールでもらった3月19日って、2月26日の間違いでは(笑)?
3月19日はライヴの予定無いなぁ(笑)。

| はっとり | 2011/01/31 14:49 | URL |















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