暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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HAMMOND 44の音や如何に

電気・ガス・水道が復旧し、見た目上は日常を取り戻した暁スタジオであるが、大きな余震は続いているし、ガソリンは手に入らないし、いい気になって下水道にバンバン流せないし、ゴミは最低限の収集しか始まっていないし(いずれも処理施設被災のため)、食料の調達も不安定だしと言った不便は続いている。それでも自宅で過ごせているだけでも果報というものだ。ご親族、知人が安否不明、新築して移住したその日に家を津波で流された、父親・母親が行方不明の小学生。ありとあらゆる情報が心を押しつぶしそうになる。

それでもうつむいて閉じこもっているわけにはいかない。自分のために音楽を演奏することは再開している。音楽が人の心を癒すなんてことは大きな声で言いたくない。そういう人もいるしそうじゃない人もいる。誰かのために音楽を作る・演奏して喜ばれるなんてことは世の中が安定していてこそのお約束で、この異常な事態に際してそれを錦の御旗のように振りかざす行為は、芸能に携わる人の思い上がりや言い訳に過ぎない。信じられるのは「自分のために」何かをする行為だけである。もしかしたらその「自分のために」発した何かが誰かを癒すことがあるかもしれない。そういうことだと思っている。

それはそれとして、まだ自作曲を作ったり推敲したりする精神状態ではない。だけど演奏はしたいし録音もしてみたい。ガスが復旧して久しぶりに風呂に入った時、なぜか口笛で吹いていたのはデューク・エリントンの"in a sentimental mood"であった。こういうときは「とり憑かれた」ようになるものだ。ちょうど購入したもののライヴデヴューし損ねたニュー鍵盤ハーモニカHAMMOND 44のチェックを兼ねて録音してみることにした。

blowtheHAMMOND44.jpg

ラインとマイクによる生音の両方を録ってみたのだが、ラインは思った以上にノイズが激しい。実際のレコーディングの現場で鍵盤ハーモニカをラインで録ることは無いと思うが、これは何かしら対策を講じたくなるレベル。生音の方は以外にも高域がちりちり言って、悪く言えばいがらっぽい音。ただしこれは耳で聞いている生音のイメージとは違うため、収録したマイクaudio-technica AT-4040のクセだと思われる。今度使い慣れているAKG C-3000でも録ってみよう。44の実音は意外なほどHOHNER Melodicaシリーズに似ている。ファットで暖かみのある音なのだ。これは嬉しい誤算。そして鍵盤数44というのがどれほどフレージングに自由をもたらしてくれるか。HOHNER Melodica36でさえ可能性を感じたが、44を経験すると「36でも上下限に気を使ってフレージングしてたんだなぁ」と思う。
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| レコーディング | 21:47 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

鍵盤ハーモニカ。

専門誌(ジャズL等)の新製品ページに載っけてもいい程な高尚な解説、ありがとうございます。

生音が響き渡る機会、楽しみにしております!

| こうすけ・ベース | 2011/03/30 16:00 | URL |

◇こうすけ・ベース様
もう少ししたら、音声ファイルをアップして実音でチェックしていただけるようにしてみようと思います。著作権調べたらin a sentimental moodはJASRAC管理下にあって、勝手に配信できないのでした。無念。

| はっとり | 2011/03/30 21:37 | URL |















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