2006.09.03 Sun
ただ混ぜるだけで100万円
昨夜(と言っても日付が変わっていたのですでに本日だが)の日記にさらっと書いたが、ミックスダウンの結果を聴いてもっと重要視しても良いと思ったことがあったので改めて書く。
DAWからのパラレルアウトの話である。曲を作っている・構築している段階ではモニターはステレオアウトで、つまりDAW内でミックスしたものを聴いている。この段階でもイフェクトをかけたりしている。イフェクトの有無は実はかなりオーヴァーダビングしていく楽器の演奏に影響するのである。で、いざ録音が終わり、ミックスダウンの段階になるとパラ出しに切り替える。つまり、バスドラムで1チャンネル、ベースで1チャンネル、ギターで1チャンネルという具合。昨夜ミックスした曲は23チャンネル分の出力となった。これだってある程度同じ役割の素材をひとつのチャンネル(正確にはバス)にまとめたからで、まともにアサインしていったら24チャンネルではこぼれてしまう。
で、アナログミキサーへのチャンネルアサインが終わり曲を再生してみると、なんかかなり音が薄いのである。一瞬「あれ?まだ鳴らしていない音があるのかな」とチェックしたほどだ。
これはどういうことかというと、つまり23チャンネル分の音をステレオの2チャンネルに一気に流し込むと、D/Aコンバータがビット飽和を起こしてしまうからだと思う。思いっきり感覚的に書くと、ステレオ出しで聴くとひとつひとつの素材の音はヌケが悪い。ところがパラ出ししてやるととたんに風通しが良くなって、ひとつひとつの音がはっきりくっきり聴こえる反面、スカスカに聴こえるという事態が発生する。
でも本当はスカスカなのではなくて、本来はこのように演奏していたのであり、このように聴こえなければならないのだ。ところがステレオモニター状態では密集していてヌケの悪い状態になるのだ。
前述のように、どう聴こえるかということを随時判断してオーヴァーダブを繰り返していく多重録音という創作スタイルにおいては、モニターの音量や音質は重要である。Aという音の後にBを重ねて録音し、A+Bを聞きながらCを録音する場合、AとBがどのようなバランスで聴こえるかということはCの演奏に非常に大きく影響する。だから本来なら常にパラ出しでモニターできれば、もう少し曲のアレンジも変わってくるかもしれない。ことほど左様にパラ出しが重要視されているのは、「パラ出し出力をアナログ回路上でミックスする」という目的に特化した「サミングミキサー」「ミックスバッファ」などと呼ばれるレコーディング機材の台頭で確認することもできよう。
でもやっぱりアマチュア作家のほとんどはDAW内だけでミックスしてステレオアウトだけでモニターしているのだ。それはパラ出しをちゃんと受けてまとめる機材は用途や効果が地味な上にものすごく高価だからだ。某有名コンソールブランドから出されているサミングミキサーなど16チャンネルで50万円くらいする。せっかく音質変化を避けるために導入するミキサーのアナログ回路で音質変化してしまわないように、高度なアセンブルや部品を使うためだと思われる(ここまで高度な機材のアナログ回路における音質変化はむしろ積極的に活用すべき美点にすらなる)。
でもさぁ、32チャンネルで100万円はやはりアマチュアに手の出せるヴァリューじゃないよなぁ。
…。でもいいのだ。やはりアマチュアとプロはしっかり線引きされていた方が良い。
DAWからのパラレルアウトの話である。曲を作っている・構築している段階ではモニターはステレオアウトで、つまりDAW内でミックスしたものを聴いている。この段階でもイフェクトをかけたりしている。イフェクトの有無は実はかなりオーヴァーダビングしていく楽器の演奏に影響するのである。で、いざ録音が終わり、ミックスダウンの段階になるとパラ出しに切り替える。つまり、バスドラムで1チャンネル、ベースで1チャンネル、ギターで1チャンネルという具合。昨夜ミックスした曲は23チャンネル分の出力となった。これだってある程度同じ役割の素材をひとつのチャンネル(正確にはバス)にまとめたからで、まともにアサインしていったら24チャンネルではこぼれてしまう。
で、アナログミキサーへのチャンネルアサインが終わり曲を再生してみると、なんかかなり音が薄いのである。一瞬「あれ?まだ鳴らしていない音があるのかな」とチェックしたほどだ。
これはどういうことかというと、つまり23チャンネル分の音をステレオの2チャンネルに一気に流し込むと、D/Aコンバータがビット飽和を起こしてしまうからだと思う。思いっきり感覚的に書くと、ステレオ出しで聴くとひとつひとつの素材の音はヌケが悪い。ところがパラ出ししてやるととたんに風通しが良くなって、ひとつひとつの音がはっきりくっきり聴こえる反面、スカスカに聴こえるという事態が発生する。
でも本当はスカスカなのではなくて、本来はこのように演奏していたのであり、このように聴こえなければならないのだ。ところがステレオモニター状態では密集していてヌケの悪い状態になるのだ。
前述のように、どう聴こえるかということを随時判断してオーヴァーダブを繰り返していく多重録音という創作スタイルにおいては、モニターの音量や音質は重要である。Aという音の後にBを重ねて録音し、A+Bを聞きながらCを録音する場合、AとBがどのようなバランスで聴こえるかということはCの演奏に非常に大きく影響する。だから本来なら常にパラ出しでモニターできれば、もう少し曲のアレンジも変わってくるかもしれない。ことほど左様にパラ出しが重要視されているのは、「パラ出し出力をアナログ回路上でミックスする」という目的に特化した「サミングミキサー」「ミックスバッファ」などと呼ばれるレコーディング機材の台頭で確認することもできよう。
でもやっぱりアマチュア作家のほとんどはDAW内だけでミックスしてステレオアウトだけでモニターしているのだ。それはパラ出しをちゃんと受けてまとめる機材は用途や効果が地味な上にものすごく高価だからだ。某有名コンソールブランドから出されているサミングミキサーなど16チャンネルで50万円くらいする。せっかく音質変化を避けるために導入するミキサーのアナログ回路で音質変化してしまわないように、高度なアセンブルや部品を使うためだと思われる(ここまで高度な機材のアナログ回路における音質変化はむしろ積極的に活用すべき美点にすらなる)。
でもさぁ、32チャンネルで100万円はやはりアマチュアに手の出せるヴァリューじゃないよなぁ。
…。でもいいのだ。やはりアマチュアとプロはしっかり線引きされていた方が良い。
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