暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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ヴォーカルを録るだけでも

9月2日に録りきれなかった北田了一さんの曲のヴォーカルをもう一回録る。菅田かおりさんと北田さんが来訪。私はつまりエンジニアである。菅田かおりさんのヴォーカルをAKG C-3000で拾い、特製マイクプリで増幅、MOTU 2408MK3を経由してPowerMacG5上のLogicPro7.2.2で録音。録りは24bit/48kHzである。

今回録っている北田さんの曲は難しい曲だと思う。それを歌うかおりさんも凄いけど、やっぱり北田さんのダメ出しとかアドヴァイスの仕方には学ぶべき点がたくさんあった。録り終わってみればすごく単純なことなのだけど、つまり、「こうしたい!」という到達点を常に念頭に置け、ということであろう。だからかおりさんへの北田さんのダメ出しは「ダメだなぁ」という表現ではなくて「違うなぁ」なんですよね。何がどう違うのかは北田さんのみ汁、いや知るところなのだが、「どう違うんですか」と聴くことによって、かおりさんも自発的に軌道修正ができるというクリエイティヴなやりとり。

いや、もちろんこういうことは本来普通に行われるべき創造の過程だと思う。が、周りを見渡してみて、自分も含めてレコーディングの現場で「こうあるべきだ!」という最終形をちゃんと具体的にイメージしつつ指示を出したり、その指示に従って自発的に軌道修正する技量をもったプレイヤーがどれほどいるだろうか。

これだけのレベルのやりとりが行われる現場であればこそ、初めてエンジニアの本業に没頭できるのである。すなわち、歌いやすいモニターミックス、迅速なプレイバックとバックアップ、などである。

結構なテイクを稼いだが、見事切り貼り無しでOKのテイクをかおりさんが歌い上げ(という表現はあまり似合わないムードの曲だが)録音は終了した。その後のおしゃべりでもおふたりから非常に含蓄深い話をたくさん聞けたのだが、これはその場に居合わせた者だけの特権ってことで(笑)。
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