暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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La Passione楽曲解説・2「Mistral」

2011年3月11日の東日本大震災以降、最初に作った曲。あの地震の後は生活の再建が最優先で音楽のことを考えられるようになってきたのはずいぶん時間が経ってからのことだった。暁スタジオでは奇跡的に機材的な損害は皆無であったが、その代わり書籍や細かいものの散らばり具合と言ったらなかった。それでも1ヵ月後くらいには何とか最低限の片付けを終え、震災直前に購入したギター用エフェクタ(本来は鍵盤ハーモニカのために購入したのだが)を通してギターを爪弾いたり、ピアノを弾いてみたりするようにはなった。

アルバムは予定通り出したい。そうであれば震災で受けたショックやあの後考えたいろいろなことを反映させた作品を作るべきなのか。しばらく考えて得た結論は「音楽にそのような意味を持たせてはいけない」というものだった。自分が感じたことはいずれ熟成されて作品に少しずつにじみ出ていくであろう。今は意図的に音楽に込められるほど自分の中で「震災」を消化できていないことを直感的に感じたのだ。

そこでできたのがこの曲である。単にギターを弾いていたらできた。久しぶりの3連シャッフル。初めから打ち込みだけで完成させるつもりで制作に入ったので、完成形に持っていくまではあまり時間はかからなかったが、ギターだけで演奏するテーマも、リズムのボトムも、何となく細いように感じてしまう。タイトさと細さは表裏一体なところがあるのだが、それでも揺らぎとも言える要素がもう少しほしい。

そこでお迎えしたのがベーシストの斎藤"GON"弘介君とサクソフォニスト林"巨匠"宏樹君である。ゴン斎藤君は以前から知っていた。良いベーシストであるだけでなく盟友佐藤哲の弟子であるという。パーティでの演奏でご一緒させていただいたご縁で演奏をお願いしてみた。録音の際は詳しい指示はあまりせず、雰囲気だけを伝えるだけにした。この曲で聴けるベースリフなどは斎藤君が構築してくれたものである。さすがである。

林巨匠はこの曲ではずいぶん苦労したようで、シンプルな曲ゆえいろいろな解釈ができてしまう。次から次と出てくるアイデアをどうやって定着させようかマイクの前で苦悩されていた。もっとも録り終ってみれば、林印のナイスなフレーズが散りばめられた「太い」プレイになっていた。

Electric Bass:斎藤弘介
Tennor Sax:林宏樹
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