暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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それが答えです

オレたちの旅プロジェクト、今年最後のミーティングを決行。すなわち忘年会である。服部暁典、高橋督水沼慎一郎が集結。会場は。他のお店も検討してみたが結局去年と同じお店。なんの不満があろうや。

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今年は音楽家鈴木雅光も参加。服部の友人にして先生、高橋督の先生にして水沼慎一郎の師匠であり、「旅プロ」という略称の命名者なのである。参加は当然である(実は昨年も呼んだのに来なかった。なぜだ)。今年は誰の人生にも大きなことがあったし、それぞれに忙しく音楽と向き合ってきたので話題は尽きない。中でも水沼と服部はアルバムを発表したこともあり、雅光君と督はいったいいつになったらアルバムを発表するのか?という話になった。

督はその場で来年(12年)6月までにアルバムを出す!と宣言。出す以上は水沼のも服部のも霞んでしまうような力作にする!とも。こういうのは心の底から大歓迎だ。それを聴いて自分たちも発奮すれば良い。こういうのが切磋琢磨と言うのだ。実際高橋督の曲はとてもクオリティが高いし演奏も言わずもがなである。彼がなかなかアルバムとして発表しないのはその完璧主義とも言えるクオリティ探求の姿勢ゆえである。だが水沼の「ふわり」評にも書いたとおり、作品には発表すべきタイミングというものがある。どんなに良い曲でもこねくりまわしているうちに作者が飽きてしまうこともあるし、作者の心情や創作レベルがシフトしてしまうこともある。特に後者は深刻で、作者が「もうこういう気分じゃないんだよな」と思ってしまうと、世に出て行くきっかけすら失ってしまうことになる。高橋督の作る曲はそうなるにはもったいなさすぎる。いまや服部は「絶対に作らせてやる」とすら思っているのだ。

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雅光君からは服部の過去の音源を褒められた(笑)。実際カセットMTRで鬼のような集中力を発揮して作っていたころの勢いはすでに自分には無い。あの頃の作品をリメイクしてみなよ、と雅光君は言う。督のアルバムじゃないけれど、もうそういう気分じゃないという曲もあるしあの勢いでは演奏できないという思いもあるしすぐにその気になるとは思えないが、雅光君からのアドバイスは宿題のように今後の自分に残るだろう。

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残ると言えばこの忘年会白眉の一言は水沼からだった。いざアルバムを作るとなると色々考えることがあるという督が「キックとスネアは自分で打ち込み納得できるものにしたとして、ハイハットだけは人間に叩いてもらうなんてアリかなぁ」と水沼に問うと「そんなのぜんぜんアリですよ!」と答えた。さすが作曲家である。さらに督が「そうやってわざわざ叩いてもらっても、やっぱり納得できないからボツねってなるのがちょっと、辛くて…」と言うや水沼「牛丼喰おうとして吉野家、松や、すき家、どれに行きます?」。極度のダイエットジャンキーにして自律マニアの高橋督がチェーン店の牛丼など食べるわけがない。督は「どれも食べない」と即答。その返答を聞くや否や水沼曰く。

それが答えですよ

求めるものじゃなければ選択しない。良い演奏かそうでないかは直感でわかるでしょ?良い演奏だけを採用すればそれで良いのだ、というこれまた作曲家脳のアドバイスである。これには正直痺れた。奏者に遠慮してハードルを下げることは「失礼」なのだ。また良い演奏を引き出す音楽を作る必要がある。残念ながら服部程度の人間はひとりで黙々と作業をしているだけではこういう真理に出会うことが難しい。

こういうことを言い合える音楽家が身近にいることは本当に幸せだ。なおこの席上で来年7月に旅プロサロンコンサート(仮称)と水沼慎一郎離日公演(仮称)を開催することが決定した。みなさんおつかれさまでした。来年はもっとよろしく。

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photo by DJ Kouter

※2011.12.28.追記 高橋督のブログにも督視点でこの宴のレポートがある。こちら
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