暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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エレキ鍵盤ハーモニカを快適に演奏する方法

さる1月21日のライヴの会場でお客様とお話しする機会があり、私の演奏する鍵盤ハーモニカが「アコーディオンみたいな音もするんですね」とおっしゃっていた。ある程度そういう聞こえ方を狙っているとは言える。旅団は自分も含め6人編成であり、これだけ饒舌なメンバーの中でちゃんと音を前に出していくのは、実は鍵盤ハーモニカという楽器にとってはちょっと厳しいものがある。音量の確保と多少の音色変化はあっても良いと考えている。

本エントリーでは服部の鍵盤ハーモニカ演奏の機材セッティングを解説してみようと思う。

まず演奏に使用している鍵盤ハーモニカはHAMMOND 44で、これはピックアップを内臓したエレキハーモニカである。オルガンで有名なハモンドのブランド名がついているが、日本国内では鈴木楽器から販売されている。これ以前に使っていたHOHNERのMelodica36は素晴らしい楽器なのだが、その音はどうしてもマイクで拾わざるを得ない。ステージ上はモニタースピーカの音だって音量は大きく、どうしてもハーモニカの音だけでなく周囲の音もマイクは拾ってしまう。つまりハウリングが起きやすいのだ。HAMMOND44もハウリングの可能性はゼロではないが、それでもよほど派手にディストーションをかけるなどしなければまず避けられる。

hammond44.jpg

HAMMOND44のような楽器があって、初めて(ほぼ)純粋にステージ上でハーモニカの音だけを電気信号に変えることができるようになる。すると副次効果で、エフェクターをかけたり拡声しやすくなる。出力されている信号レベルはほぼエレキギターと同じレベルなので、私はBOSS ME-70というギター用マルチエフェクターを使用している。この手のデジタルエフェクターの常として様々な効果を内臓しているのだが、私のセッティングはものすごくシンプル。オートワウとコーラスとディレイとリバーブだけである。この内のディレイとリバーブという空間系エフェクトはほぼかけっぱなし。コーラスは曲調によって「かけないこともある」。オートワウは飛び道具である。ワウとコーラスの間にオーバードライヴ/ディストーションをかけることもできるのだが、さすがにピックアップ内臓のHAMMOND44でもハウリング大会になってしまう。オートワウの代わりにオートゲートをかける(というか挿れる)こともできるので、立ち上がりさえ不自然でなければそうやって使うことも可能ではあるのだが…。

ME70.jpg

この組み合わせにしてからバンドの中で鍵盤ハーモニカの音を扱うのが格段に楽になったのだが、それでもまだ問題点はある。低い音域のモニターがしにくいのだ。いやむしろ余ほど高い音に行かなければモニタースピーカーから出ている自分の音は認識できない。顔のまん前で鳴っているハーモニカの生音が大きいのだ。聞こえるわけだから演奏そのものには大きな支障は無いものの、お客様に聞こえている音が確認しづらいのはちょっと不安でもある。

以前シンセサイザーのモニターで試してみたことがあるのだが、あまり密閉度の高くないイヤフォンモニターで自分の音だけをモニターするという手もある。しかしME-70のライン出力はRecアウト兼ヘッドフォンアウトなので、会場のミキサーに音を出してしまうと足元の本体からヘッドフォン出力が得られない。このためだけにミキサーを持ち込むのも本末転倒なムードもある。

earphone.jpg
2011年2月26日のアニソンデパートメントにて

現状を100点満点で評価するなら80点というところか。おかげでMelodica36+マイクという環境で演奏していた頃よりもより集中できるようになったと思う。ま、うまくなったというわけじゃないので、そっちは相変わらず精進精進というところだ。
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