暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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新しい音楽

元来好きなものをとことん愛好する性質であり、新しいものにはどちらかと言うと懐疑的な態度をとる服部。しかしこと音楽に関してはそれじゃまずいだろという気になるほど、新しい音楽を聴かない生活が続いている。

自分なりにその理由を考えてみるがはっきりはしない。少なくともヒットチャートものをつまみ食いする程度では、ダンス系音楽に新しい要素はほとんど無い。最近思うのは「結局のところ印象的なリフがあればダンスはOK」。LMFAOなんかが聴いてて楽しいのは秀逸なリフがあるからだ。それってつまりディープパープルやツェッペリンと同じなわけで、そういう意味で60年代と本質的には大差無いなぁなどとも思う。


これ、好きだなぁ

ダンスやロックと言った相当定型化されているジャンルはそれもアリだろうし、聴き手もそれを求めている。ダンス系とは正反対に位置するであろうアメリカの歌い上げ系チャート(そんな名前のチャートは無いが、服部が勝手にそう思っているバラッドや変形したカントリーなど)も、やはりそのジャンルでの定番パフォーマンスが多い。歪(いびつ)だったり飛び道具的だったりするアイデアにわっと飛びつくことはあっても、結局は定番のものに回帰するように思える。

定番とはつまり、コンテンポラリー音楽のフィールドではメロディとハーモニーとグルーヴの3つであり、これはコンテンポラリーがコンテンポラリーである限り不変ではないかとすら思える。突き詰めれば本当に大事なのはその3つしか無いのだ。

以上のようなありきたりな結論に至ったのは、たまたま見ていたテレビ番組「アメリカン・アイドル(のシーズン11)」の影響だと思う(リンク先はネタバレがあるので数週遅れの日本版を楽しみに見ている人は見てはいけません)。全米オーディションを経て投票による優勝を目指すアメリカ版「スター誕生」なのだが、出てくるアマチュアシンガーがとにかくべらぼうに歌がうまい。半年かけて一人の優勝者を決めるために毎週趣向をこらした課題をこなすのだが、特に興味深かったのはスティーヴィー・ワンダーの曲が課題だった週。「Knocks me off my feet」や「Superstition」みたいなエバーグリーンなナンバーをオーソドックスに、あるいはぴりりとひねりを効かせてパフォーマンスするわけだが(この場合本当に偉いのはアレンジして演奏しているハウスバンドの方だが)、歌い手が替わっても、演奏する楽器が替わっても、スティーヴィーの曲の美しさや躍動感は変わらない。むしろその普遍性が際立つのには驚くしかない。メロディとハーモニーとグルーヴの勝利である。英語がわかれば本当はこれに歌詞という要素も加わるのだろう。


Jermain Jonesさんによる「Knocks me off my feet」


Phillip Phillipsさんによる「Superstition」

こういうケースを体験すると、改めてコンテンポラリー音楽のライブラリが膨大になっていることを感じずにいられない。そしてまだまだ「未知の気持ちよさ」が埋蔵されていると信じたくなる。定番をきちんと理解した上で、私はそういう音楽を作る人になりたい。まだまだ修業中である。
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