2012.05.08 Tue
「Room401」制作リポート1
この曲のタイトルはラリー・カールトンのroom335のパロディである。もちろん動機も音楽的モティーフも全く異なるが、「カッコいいインストナンバー」というカテゴリーは同じである(志だけは高い)。Aメロはすでに頭の中にあって、折りあればピアノでつらつらと弾いていた。ハーモニーもできているし、ドラムやベースも何となく頭の中で鳴ってはいる。そんな状態を長いこと過ごし、先日Aメロ以降の展開もようやく着想を得た。このエントリーでは非常にあやふやなままの曲をどのようにスケッチしていくか書いてみる。
<ステップ1 ガイドとなるリズムの打ち込み>
作家によって千差万別だと思うが、私の場合は何はともあれリズムである。とにかくこの段階ではクリックに毛の生えたようなものでもいいから、ハーモニーとメロディをスケッチできるだけのものを打ち込む。具体的にはプラグインドラム音源addictive drumsを使って3点セット、すなわちキック、スネア、ハイハットで2~4小節程度のパターンを作ってしまう。この時注意すべきはキック。手順としてドラムの後に打ち込むことになるベースとのコンビネーションを考慮する必要がある。ベースとキックのコンビネーションはアレンジ過程の最後の最後まで悩んでもいいくらい重要な要素なので、このラフな打ち込みの段階でキックの音数を多くしてしまうと結局は間引く手間が増える。頭の中に鳴っているメロディの本当に大事なシンコペーションくらいは意識して揃えても良いが、ドラム単体でカッコよく聞こえるような工夫はこの段階ではあまりしない。
今回のRoom401ではこの段階でタンバリンのシェイクとコンガのループをStylus RMXで加えている。シンプルなドラムパターンによるグルーヴに程よく幅が生まれて気分も出ると言うものだ。
<ステップ2 ハーモニーの打ち込み>
次にハーモニー。生ピアノがいいのかエレピがいいのか、はたまたシンセパッドがいいのかこの段階では判然としないので、もっとも手っ取り早く音が出て再現性も高いプラグイン音源evp88のローヅを使う。後々入力するベースとケンカしないようにヴォイッシングには注意が必要だが、この段階ではとにかく曲の全貌を見渡すことを最優先に演奏する。
<ステップ3 ベースの打ち込み>
さてベースに移る。この曲はリフと言うほどではないが、曲の印象をある程度決める役割をベースは果たすはずなので、それなりに慎重に打ち込む。この時優先すべきはベースのフレーズで、キックとうまくかみ合わない箇所があればキックを削って行く。漠然とスラップベースが欲しいと思っていたので、最終的に自分で生ベースを弾き直すことを考慮してプラグイン音源のアナログシンセで適当なベースプログラムで弾いてみたが、これが見事にハズレ(笑)。結局プラグインサンプラーexs24のスラップベースサンプルで弾き直す羽目に…。
ここまでのデータは実は曲全体ではなく、最低限考えられるイントロ、Aメロと合計してもせいぜい16~32小節くらいである。またメロディも入れていない。リズムセクションとハーモニーだけで何となく全体が見えてしまったからだ。そうこうするうちにようやくBメロ的な展開も見えたので、ドラムとパーカッションループだけをコピー&ペーストで延長し、Bメロのハーモニー、ベースを入力する。これでなんとなく曲の骨組みは見えたことになる。次回は肉付けをしていく過程を書いてみる。
| レコーディング | 21:46 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
最近の私はもっとシンプルなドラムの打ち込みになってました。
まあデモの段階での話ですが。
16の曲でも基本8分、キックでシンコペートするくらい。
後はベースとかピアノとかでグルーブさせるという具合です。
それで気持ちよくなれるのでそのままでも良いのかなと思うくらいシンプルになってます。
| りちあど | 2012/05/08 22:11 | URL |