2012.08.27 Mon
Keyboardist Union@仙台 Live Vol.10・無事終了
Keyboardist Union@仙台 Live Vol.10が無事終演した。10回、である。よくぞ続いたものだ。
10回目はいつもと少し違う特別な感じでやろう、と1年くらい前からコアスタッフ、橋元成朋さんと星雅春さんと話し合ってきた。こういう制作作業は本来得意ではない服部と橋元さんではあるが、「なるべくこれまでの出演奏者にたくさん演奏していただく」「特別な回じゃないとやれない企画をやってみる」ということを考えた。10回目の今回、その前者の考えを具現化したものが10名のキーボーディストの演奏であり、後者の具現化が「北田了一×榊原光裕の鍵盤放談」である。
Keyboardist Union@仙台ライブ Vol.10
日時:2012年8月24日(金)OP 18:30 / ST19:00
1. ちゃんせりちう(橋元成朋×古山世梨佳×ひでちう)
2. ちばんど(千葉慶子)
3. 北田了一×榊原光裕の鍵盤放談
4. Recross(服部暁典×竹野靖子)
5. oToTo99(チャーリー工藤)
幕間演奏:鈴木雅光
■ちゃんせりちう(橋元成朋×古山世梨佳×ひでちう) ■
彼らの演奏が終わったあとのMCで私はこう言った。「世の中には色々なヘンタイがいるけれど、音楽界のヘンタイはこの人たちです」。お客様はもちろんだが、本当の意味で衝撃を受けたのはこの日会場にいたミュージシャンたちだろう。もっとも一般的な拍子、4分の4拍子が奇異に聞こえる音楽。8分の7拍子ですら落ち着く特異な世界。打ち込みと生演奏の素晴しい融合による「プログレ」。とにかく全ての要素がとんがっていて、「伴奏」というものが存在しない。歩く音楽図書館鈴木雅光が衝撃を受けていたのも頷ける。奇数の変拍子で腕を振り上げてノリノリなひでちうさんの雄姿が目に焼き付いて離れない。

如何にもKeyUniらしい光景(笑)。
本人達は「要塞」と言ってました
■ちばんど(千葉慶子)■
かつてKeyUniでモーニング娘。の「ラブマシーン」を弾き語り、客席を興奮のるつぼに陥れたちばっちが、その自らの歌を封印してまで挑んだ意欲作バンド。テーマは歌声喫茶。なんと客席のひとりひとりに歌本まで配付するという念の入れよう。2012年のライヴハウスで「フニクリフニクラ」を歌本見ながら歌うことになるとは思わなかった。このバンドもちばっちのサービス精神、コミュニケイト願望が端的に現れた一例であろう。正直に言うと彼女のその思いと音楽的表現力がきちんとリンクしているとは今は思えないが、この先10年彼女が現場で修行し続けたら、その時は服部など足元にも及ばないエンターテイナーになっているはずだ。がんばれ!ちばっち。

うたぼん、大事に持って帰りました
■北田了一×榊原光裕の鍵盤放談■
今だから書くが、KeyUni前日の深夜23:30に榊原さんから電話がかかってきて「どうしよう。何をしゃべればいいのかちっともわからない」とのたまった。以前同じ内容のメールをいただいていたので、こんなことを伺いつつ正直に思うところを聞かせていただければ良いのです、とおおよその段取りや質問しようと思っている項目を返信したのに。「服部君の言っていることはわかるけど、そういう風に(キーボーディストとして音楽を)考えたことは無い。やっぱりボクはキーボーディストじゃないんだなってことはわかった」などとおっしゃるので服部大弱り。まぁでも音楽のことを榊原さんの言葉で語っていただければ、みたいなことを言って納得していただいた。そして当日北田さんと3人で打合せをした時に「北田さん、聞いてくださいよ〜、榊原さんったら昨夜電話してきて〜」と話したら、「あ、オレもそうかも(キーボーディストって感覚じゃないかも)」みたいなことを言い出すもんだからこっちは頭が真っ白になった(笑)。
しかしこんなに正直に自身の音楽観についてあけすけにお話しいただいたことには逆に感激した。またおふたりを「単なるキーボーディスト、ピアニスト」としてしか認識していなかった自分の不明を恥じた(本番の1時間前だったけど)。おそらく優れた演奏家というものは、自分の演奏に使う道具=楽器をもっとクールに捉えるものなのだろう。飛行機のパイロットが「必要なものさえ揃っていれば飛ばせると思う」というのと同じ。料理人が包丁にこだわりつつ、「よく切れる包丁ならそれでいい」と言うのと同じではないか。重要なのは音楽である。
とは言え鍵盤楽器だからこその表現というものがやはりあるのであって、そういうお話が伺えたのはやはり貴重だったし、榊原さんの現代鍵盤楽器を席捲するある特定のスケールの話は、音楽科とか音大に行かなければ聞けない種類の話でもあり、やっぱりやって良かったと思った。

このおふたりがステージ上にいて、一切演奏しないというのは事件です
■Recross(服部暁典×竹野靖子) ■
自分たちの演奏については客観的に書くことができない。靖子さんが緊張していたのがかわいかった(笑)。正直まだまだやり足りないので、このユニットはもっと人前で演奏する機会を作りたいと思う。

今後はこの画像がRecrossのオフィシャル画像になります(笑)
■oToTo99(チャーリー工藤) ■
工藤さんは本当に大人げない人だ。普段はあんなに温厚でニコニコしているいい人なのに。TOTOのコピーバンド。それも考え得る最高のメンバーで。当然演奏のクオリティは高いしメンバーのテンションも相当高い。良い演奏にならないわけがない。大人げないとはつまり「他の出演者に負けたくない」という気持ちの表出であり、金に任せてホームランバッターばかり獲得する某球団のようなものである。ま、かつてアニソン・デパートメントの時にそう言われましたけどね、私も(笑)。ともあれ、今仙台でバンド系のキーボードを弾かせたら工藤孝信の右に出るものが何人いるだろうか。

オーソドックスなのにすごい感動を呼ぶパフォーマンス
最後のセッション、「迷信」も楽しいものだった。キーボーディストたちが好き勝手やったのは言わずもがなだが、バックで演奏してくれたoToTo99のみなさん、そして見事なリレーを聞かせてくださった各バンドのヴォーカリストのみなさん、本当にありがとう。まったくみんな油断も隙も無いな(笑)。
相変わらずLivehouse ennのスタッフのみなさんには最大限にお世話になった。またKeyUniの制作を務めてくれている星雅春君には感謝してもしきれない。そして何よりも。最初から最後まで聞いてくださったたくさんのお客様。ありがとうございました。さらに精進いたします。
次回Vol.11は2013年2月1日(金)である。すでに出演者が決まりつつあるのだが(笑)、興味のあるキーボーディストはぜひ声を上げてほしい。
※以前の出演者で会場に遊びに来てくれた高橋督君のブログにレポート発見。こちら。
同じくチャーリー工藤さんのブログにも詳細が。こちら。
さらに追記。ちばっちのブログでもレポートがアップされた。こちら。
画像はいずれ公式記録を入手して後から追加する。→
※2012.09.02.追記 画像を追加しました。橋元様ありがとうございます。
10回目はいつもと少し違う特別な感じでやろう、と1年くらい前からコアスタッフ、橋元成朋さんと星雅春さんと話し合ってきた。こういう制作作業は本来得意ではない服部と橋元さんではあるが、「なるべくこれまでの出演奏者にたくさん演奏していただく」「特別な回じゃないとやれない企画をやってみる」ということを考えた。10回目の今回、その前者の考えを具現化したものが10名のキーボーディストの演奏であり、後者の具現化が「北田了一×榊原光裕の鍵盤放談」である。
Keyboardist Union@仙台ライブ Vol.10
日時:2012年8月24日(金)OP 18:30 / ST19:00
1. ちゃんせりちう(橋元成朋×古山世梨佳×ひでちう)
2. ちばんど(千葉慶子)
3. 北田了一×榊原光裕の鍵盤放談
4. Recross(服部暁典×竹野靖子)
5. oToTo99(チャーリー工藤)
幕間演奏:鈴木雅光
■ちゃんせりちう(橋元成朋×古山世梨佳×ひでちう) ■
彼らの演奏が終わったあとのMCで私はこう言った。「世の中には色々なヘンタイがいるけれど、音楽界のヘンタイはこの人たちです」。お客様はもちろんだが、本当の意味で衝撃を受けたのはこの日会場にいたミュージシャンたちだろう。もっとも一般的な拍子、4分の4拍子が奇異に聞こえる音楽。8分の7拍子ですら落ち着く特異な世界。打ち込みと生演奏の素晴しい融合による「プログレ」。とにかく全ての要素がとんがっていて、「伴奏」というものが存在しない。歩く音楽図書館鈴木雅光が衝撃を受けていたのも頷ける。奇数の変拍子で腕を振り上げてノリノリなひでちうさんの雄姿が目に焼き付いて離れない。

如何にもKeyUniらしい光景(笑)。
本人達は「要塞」と言ってました
■ちばんど(千葉慶子)■
かつてKeyUniでモーニング娘。の「ラブマシーン」を弾き語り、客席を興奮のるつぼに陥れたちばっちが、その自らの歌を封印してまで挑んだ意欲作バンド。テーマは歌声喫茶。なんと客席のひとりひとりに歌本まで配付するという念の入れよう。2012年のライヴハウスで「フニクリフニクラ」を歌本見ながら歌うことになるとは思わなかった。このバンドもちばっちのサービス精神、コミュニケイト願望が端的に現れた一例であろう。正直に言うと彼女のその思いと音楽的表現力がきちんとリンクしているとは今は思えないが、この先10年彼女が現場で修行し続けたら、その時は服部など足元にも及ばないエンターテイナーになっているはずだ。がんばれ!ちばっち。

うたぼん、大事に持って帰りました
■北田了一×榊原光裕の鍵盤放談■
今だから書くが、KeyUni前日の深夜23:30に榊原さんから電話がかかってきて「どうしよう。何をしゃべればいいのかちっともわからない」とのたまった。以前同じ内容のメールをいただいていたので、こんなことを伺いつつ正直に思うところを聞かせていただければ良いのです、とおおよその段取りや質問しようと思っている項目を返信したのに。「服部君の言っていることはわかるけど、そういう風に(キーボーディストとして音楽を)考えたことは無い。やっぱりボクはキーボーディストじゃないんだなってことはわかった」などとおっしゃるので服部大弱り。まぁでも音楽のことを榊原さんの言葉で語っていただければ、みたいなことを言って納得していただいた。そして当日北田さんと3人で打合せをした時に「北田さん、聞いてくださいよ〜、榊原さんったら昨夜電話してきて〜」と話したら、「あ、オレもそうかも(キーボーディストって感覚じゃないかも)」みたいなことを言い出すもんだからこっちは頭が真っ白になった(笑)。
しかしこんなに正直に自身の音楽観についてあけすけにお話しいただいたことには逆に感激した。またおふたりを「単なるキーボーディスト、ピアニスト」としてしか認識していなかった自分の不明を恥じた(本番の1時間前だったけど)。おそらく優れた演奏家というものは、自分の演奏に使う道具=楽器をもっとクールに捉えるものなのだろう。飛行機のパイロットが「必要なものさえ揃っていれば飛ばせると思う」というのと同じ。料理人が包丁にこだわりつつ、「よく切れる包丁ならそれでいい」と言うのと同じではないか。重要なのは音楽である。
とは言え鍵盤楽器だからこその表現というものがやはりあるのであって、そういうお話が伺えたのはやはり貴重だったし、榊原さんの現代鍵盤楽器を席捲するある特定のスケールの話は、音楽科とか音大に行かなければ聞けない種類の話でもあり、やっぱりやって良かったと思った。

このおふたりがステージ上にいて、一切演奏しないというのは事件です
■Recross(服部暁典×竹野靖子) ■
自分たちの演奏については客観的に書くことができない。靖子さんが緊張していたのがかわいかった(笑)。正直まだまだやり足りないので、このユニットはもっと人前で演奏する機会を作りたいと思う。

今後はこの画像がRecrossのオフィシャル画像になります(笑)
■oToTo99(チャーリー工藤) ■
工藤さんは本当に大人げない人だ。普段はあんなに温厚でニコニコしているいい人なのに。TOTOのコピーバンド。それも考え得る最高のメンバーで。当然演奏のクオリティは高いしメンバーのテンションも相当高い。良い演奏にならないわけがない。大人げないとはつまり「他の出演者に負けたくない」という気持ちの表出であり、金に任せてホームランバッターばかり獲得する某球団のようなものである。ま、かつてアニソン・デパートメントの時にそう言われましたけどね、私も(笑)。ともあれ、今仙台でバンド系のキーボードを弾かせたら工藤孝信の右に出るものが何人いるだろうか。

オーソドックスなのにすごい感動を呼ぶパフォーマンス
最後のセッション、「迷信」も楽しいものだった。キーボーディストたちが好き勝手やったのは言わずもがなだが、バックで演奏してくれたoToTo99のみなさん、そして見事なリレーを聞かせてくださった各バンドのヴォーカリストのみなさん、本当にありがとう。まったくみんな油断も隙も無いな(笑)。
見よ!この馬鹿馬鹿しさ!
一体何にウケているんだろう。楽しそうだな(笑)

弾きまくる重鎮方。客席のお客様がぐぐっと乗り出すのがわかりましたよ!

弾きまくる重鎮方。客席のお客様がぐぐっと乗り出すのがわかりましたよ!
相変わらずLivehouse ennのスタッフのみなさんには最大限にお世話になった。またKeyUniの制作を務めてくれている星雅春君には感謝してもしきれない。そして何よりも。最初から最後まで聞いてくださったたくさんのお客様。ありがとうございました。さらに精進いたします。
次回Vol.11は2013年2月1日(金)である。すでに出演者が決まりつつあるのだが(笑)、興味のあるキーボーディストはぜひ声を上げてほしい。
※以前の出演者で会場に遊びに来てくれた高橋督君のブログにレポート発見。こちら。
同じくチャーリー工藤さんのブログにも詳細が。こちら。
さらに追記。ちばっちのブログでもレポートがアップされた。こちら。
画像はいずれ公式記録を入手して後から追加する。→
※2012.09.02.追記 画像を追加しました。橋元様ありがとうございます。
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