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暁スタジオ レコーディング日記

ミュージシャン服部暁典によるレコーディング、ライヴ、機材のよもやま話

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平易で美しくて深いメロディ求む

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子どもたちの小学校の学芸会に行ってきた。今年は観客席で気楽に観ることができて嬉しい。どの学年のどの出し物も素晴しい出来だった。ありとあらゆる「記録成果物の加工方法」が生み出され実践されている現代では、例え小学生の表現だとしても「ライヴ」で感じることの偉大さを気付かせてくれる。早い話CDだのDVDだので見聞きする音楽や映像は胡散臭いということを改めて突きつけられたようにも思った。

しかし気になったことが無いわけでも無かった。学芸会と言えば劇あり音楽あり。器楽演奏や合唱もハイライトである。それらで演奏される曲のメロディが 、小学生が歌うにはあまりにも高低差があり過ぎたり、演奏するには複雑なシンコペーションを用いている。そのことで「表現を楽しむ」ところまで到達できていないんじゃないか、と思う場面が一度ならずあった。そのことが気になった。

今までできなかったことに挑戦するのは言うまでも無く大事だし、実際小学校での6年間など挑戦と克服の繰り返しだ。子どもたちのその克服する努力や結果には何度も驚かされている。だがこと音楽や絵と言った表現行為については、義務教育の期間は「なんだかわからないけど、これ楽しい!!」と気付くこと、気付かせてあげることが重要なんじゃないだろうか。単純にあのように地声と裏声を行ったり来たりするメロディ、16分音符のシンコペーションが数小節の中で繰り返されるメロディは、それを克服することがゴールになってしまう恐れがある。きちんと演奏できるようにがんばることは大事だが、それで音楽の演奏が苦痛になるとしたら残念すぎる。

かと言ってトトロの「さんぽ」みたいな曲ばかりじゃ面白くないのだが…。

ともあれ当家の子どもたちはがんばっていた。娘は小学校生活最後の学芸会だった。お疲れさまでした。
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